お客様事例

これまでよりも予報担当者は状況をより迅速につかむことができ、必要に応じた対処を速やかに行うことができます。

Company

気象庁

Interviewee

気象庁予報部予報課航空予報室
調査官
満 満男(Mitsuru Mitsuo)

気象庁では、ひろく一般の方々に知られているような天気予報や警報・注意報といった気象情報を発
表するほか、航空機の安全で効率的な運航を支援するための気象情報を、国土交通省航空局や航空
会社などに提供しています。空港にある航空地方気象台・航空測候所では、航空機の運航や空港の施
設などに影響を及ぼす風向風速や視程・天気などの気象要素について、飛行場予報・飛行場警報・飛
行場気象情報などを発表しています。

この事例のポイント

導入の目的

  • 航空予報総合監視報知ツールに利用

導入前の課題

  • さまざまなソフトが動作しているため、どのソフトが報知しているのかが紛らわしかった

導入効果

  • これまでよりも予報担当者は状況をより迅速に・確実につかむことができるようになった
  • 必要に応じて予報を修正するなどの対処を速やかに行うことができるようになった

インタビュー

AITalk導入の背景

– AITalk導入以前、どのようにして音声を制作していたのですか?

音声はこれまで特に作成・合成せず、必要があれば庁内の協力者によるナレーションを収録していました。

– どのような課題や問題があったのですか?

航空予報総合監視報知ツール以外にも、予報の現場ではさまざまなソフトが動作し、もし異常があればアラーム音などで報知するようになっています。これらのアラーム音はどうしても似たようなものが多くなりがちで、どのソフトが報知しているのかが紛らわしい、という問題がありました。

AITalk導入による効果について

航空予報総合監視報知ツールでは予報と実況の違いを取得し、例えば風速が10ノット以上異なれば、具体的に「○○空港で、風速が基準に達しました」という音声を予報担当者へ報知します。これまでよりも予報担当者は状況をより迅速に・確実につかむことができ、その後必要に応じて予報を修正するなどの対処を速やかに行うことができます。

– AITalk導入の決め手を教えてください。

さまざまな報知音がある予報現場の中でも、何が起きているのかをいち早く確実に把握するために、高品質な音声であることを選定のポイントとしました。また今後もソフトの改修に応じて音声を追加する必要があることから、同じ音声合成ができることもポイントでした。また、音程や話速を自由かつ簡単な操作で変更できる点も、選定させていただいた理由です。

航空予報総合監視報知ツールについて

飛行場予報等を作成している航空地方気象台・航空測候所では、空港の実際の気象実況を常に把握し、発表した飛行場予報と比較して、その後どのように実況が変化するかを、次に発表する飛行場予報に適切に反映する必要があります。そこで「航空予報総合監視報知ツール」というソフトウェアを内製し、発表した予報と実況を比較してある程度異なっていれば、画面と音声により予報担当者へ報知するという仕組みを開発しました。

この記事は2016年8月時点のものです。

気象庁

気象庁は、的確な気象情報を提供することによって、自然災害の軽減、国民生活の向上、交通安全の確保、産業の発展などを実現することを任務としています。その一つに、航空機の安全で効率的な運航を支援するために、気象情報を航空局や航空会社などに提供するというものがあります。
航空機の安全な運航には、乱気流や雷が大敵です。また、霧、雪、低い雲により滑走路がよく見えないと、航空機は安全に離着陸できません。このほかにも、着氷や火山灰など航空機の飛行に影響を与える現象はたくさんあります。このことから、気象情報は航空機の運航にとって不可欠の要素になっています。更に、近年の航空技術の進歩や経済活動の進展により航空輸送は飛躍に増加していることから、航空機の安全で効率的な運航を支援する気象情報の役割はますます重要になってきています。

気象庁ホームページ
http://www.jma.go.jp/

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