CDPを比較するなら知っておきたいポイントとおすすめツール4選

CDPとは、CRMやMA、Webサイト、アプリなど複数のシステムに分散した顧客データを統合し、分析やマーケティング施策に活用するための基盤です。一方、製品によって得意分野や導入対象が異なるため、知名度や機能数だけで選ぶと、導入後にミスマッチが生じる可能性があります。 

とはいえ、さまざまな製品があるため「どれを選べばよいのかわからない」と悩む担当者もいるでしょう。本記事では、CDPを比較する際におさえておきたい6つのポイントやおすすめの4つのツールを解説します。

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CDPを比較するときに確認したい6つのポイント

CDPを比較する際に重視するポイントは、知名度や機能だけではありません。製品ごとに機能や用途が異なるため、自社の課題や導入目的に合っているかを確認することが重要です。ここでは、CDPを比較するときに確認したい6つのポイントを解説します。

①導入目的

CDPを比較する前に、何を実現したいか導入目的を整理しましょう。顧客データの一元管理が目的なら、取込・加工・名寄せなどの統合機能を確認します。店舗とECを併用する顧客を把握し、新たなキャンペーンの検討や施策立案につなげたい場合は、セグメント作成や集計・分析機能も必要です。

さらに、優良顧客向けにクーポンを配布するといったマーケティング施策を実施する場合は、施策に必要な機能や外部ツールとの連携も確認します。このように機能の多さに注目するのではなく、自社の導入目的を明確にしたうえで選定することが重要です。

②既存システムとの連携

既存システムと連携できるかも重要な比較ポイントです。顧客データは、ECの購入履歴、POSの店舗購入履歴、アプリの利用履歴など、社内に分散している場合があります。これらをCDPで一元管理するには、既存システムからデータを取り込めることが前提です。

また、統合・分析したデータをMAやBIなどへ出力し、マーケティング施策に活用する場合もあります。その場合、CSV・JSON・REST APIなど、自社の環境に合う方法で入出力できるか確認しましょう。既存資産を活かしながら運用できるかという視点も、CDPを比較する際の判断基準となります。

③搭載機能

CDPを比較する際は、顧客データを統合するだけでなく、自社で実現したいことに必要な機能が過不足なく搭載されているかを確認することも欠かせません。CDPには、一般的に以下のような機能があります。

・データ収集:Web・アプリ、購買・会員データなどの取得

・データ統合:顧客データの統合、名寄せ

・データ管理・分析:セグメント作成、データ分析

・データ活用:MAやBIなど外部ツールへのデータ連携、メール配信・Web接客・ポイント・クーポンなどの施策実行

製品によって、CDP機能に加えてMAやBI、Web接客など多様な機能を備えている場合があります。しかし、機能が豊富でも、自社で使わない機能が多ければ、導入コストや運用負荷が想定以上に大きくなる可能性があります。そのため、機能数の多さではなく、自社に必要な機能が過不足なく揃っているかという視点で比較することが重要です。

④導入期間

CDPは製品によって導入期間や導入方法が異なるため、運用開始までにどの程度かかるのか事前に確認しましょう。CDPの導入期間は、製品や導入規模、要件で大きく左右されるからです。

例えば、個別カスタマイズを前提とする製品では、要件定義から運用開始まで6ヵ月~1年以上かかるケースもあります。一方、標準機能で要件を満たし、カスタマイズを必要としない製品であれば、短納期で運用を開始することも可能です。

導入期間だけでなく、既存システムとの連携や個別カスタマイズに必要な開発工数・費用も確認し、自社の要件や導入スケジュールに合う製品を選ぶことも重要です。

⑤運用のしやすさ

導入後も継続的に顧客データを扱うため、自社での運用しやすさもCDPを選ぶ際に比較したいポイントです。例えば「半年以上、購入がない顧客にキャンペーンを行いたい」とき、データの抽出・加工に専門知識が必要だと、情報システム部門やベンダーへの依頼が発生します。

一方、データの取込・加工・分析などをノーコードで行える製品なら、マーケティング担当者が自ら対応する範囲が広がり、データ活用の内製化や業務効率化につながります。操作方法や自社で完結できる作業範囲、ベンダーへの依存度も比較しましょう。

⑥将来の拡張性

CDPを選ぶ際は、導入時に必要な機能だけでなく、事業拡大や新たな施策に合わせて活用範囲を広げられるかも確認しておきましょう。

例えば、導入当初は顧客データの統合・分析だけで十分でも、事業成長に伴いポイントやクーポンなどの機能が必要となる場合があります。さらに、顧客数の増加や新システムの導入も、必要な機能や連携先が増える要因となります。

将来の事業展開を見据え、機能追加や外部システム連携、個別カスタマイズによって拡張できる製品かを見極めることが大切です。

CDPのおすすめツール4選を比較

CDPや顧客データ活用ツールは、製品によって得意分野や搭載機能が異なります。ここでは、大規模なデータ活用に強いTreasure AI(旧 Treasure Data)、マーケティング機能を幅広く備えるb→dash、リアルタイムのCX施策に強みを持つKARTE、必要な機能からスモールスタートできるVisionaryの4製品を比較します。

比較項目Treasure AI(旧 Treasure Data)b→dashKARTEVisionary
導入目的AIを活用した高度なデータ分析・マーケティングを実現データ活用からマーケティング施策まで一元管理Web・アプリの顧客体験(CX)を向上必要十分な機能から顧客データを統合・活用
既存システムとの連携多様なデータソース・データウェアハウスと連携CRM・MAなどのマーケティングツールと連携Web・アプリを中心にリアルタイム連携MA・BIやPOS、アプリなど、様々な外部ツールと連携
搭載機能AI分析、セグメント作成、リアルタイムデータ活用などMA、BI、Web接客などWeb接客、行動分析、パーソナライズなどデータ取込・加工、名寄せ、分析など。ポイント・クーポン、認証基盤はオプション 
導入期間要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ短納期(ノンカスタマイズモデル)
運用のしやすさ高度なデータ活用を前提とした運用ノーコードでデータの加工・統合・抽出が可能 ノーコードで顧客向け施策を作成・実行 ノーコードでデータ取込・加工などを内製化 
将来の拡張性大規模なデータ活用にも対応必要な機能を組み合わせて活用CX施策を段階的に拡張カスタマイズモデルで個別要件に対応
向いている企業大規模な顧客データを統合し、高度な分析・AI活用を進めたい企業CDP・MA・BI・Web接客などを一つの環境で利用したい企業Web・アプリを中心にリアルタイムな顧客体験を改善したい企業必要十分なCDP・マーケティング機能から短期間・低コストで始めたい企業
料金・コスト要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ必要な機能から導入可能。詳細は要問い合わせ

Treasure AI(旧 Treasure Data)

Treasure AIは、AIを活用した高度な顧客データ分析に強みを持つ大企業向けCDPです。ECや店舗、アプリなどの顧客データを統合し、AIで顧客をグループ分けしたり、今後の行動を予測したりできます。リアルタイムのデータ処理に対応している点も特徴です。

SalesforceなどのCRM、Google広告などの広告サービス、Amazon S3やSnowflakeなどのデータ基盤をはじめ、400種類以上のシステムとの連携実績があります。多様なデータソースを連携し、大規模なデータ活用を推進したい企業に向いています。

b→dash

b→dashは、顧客データを集めて整理するところから、分析、メール配信などのマーケティング施策までを一つの環境で行えるCDPです。ECや店舗、Webサイトなどに分散したデータをまとめ、条件に合う顧客を抽出して施策に活用できます。データの加工・統合は画面上でノーコードで操作でき、専門的なプログラミング知識は必要ありません。

また、BIによるデータ分析のほか、メール配信やWeb接客などのマーケティング施策にも対応しています。 複数のツールを使い分ける手間を減らし、マーケティング担当者が自らデータを扱いながら施策を進めたい企業に適しています。

KARTE

KARTEは、顧客の行動をリアルタイムに捉え、一人ひとりに合わせた顧客体験を提供するCXプラットフォームです。KARTE Datahubを活用することで、Web・アプリの行動データとCRMや店舗などのデータを統合し、顧客データ基盤として活用できます。

また、Webやアプリだけでなく、店舗やコールセンターなどのデータもまとめて管理できるため、複数の接点をまたいだ顧客の把握も可能です。オンライン・オフラインを横断して顧客の購買行動を理解し、状況に合わせた接客を行うことでCX向上を図れる点がKARTEの強みです。

Visionary

Visionaryは、顧客データの統合・活用に必要十分な機能を備え、現在必要な範囲からスモールスタートできるCDPです。初めてCDPを導入する企業や、最初から多くの機能を導入せず、まず社内に点在している顧客データを統合するところから始めたい企業におすすめです。

ECや店舗、アプリなどに分散した顧客データを取り込み、名寄せによって同じ顧客の情報を一つにまとめられます。さらに、「毎月リピートする人」「一度きりの購入で終わった人」などにグループ分けし、集計・分析することも可能です。 

さらに、必要に応じてポイント・クーポン施策や認証基盤などの機能を追加でき、独自の要件にはカスタマイズで対応可能です。まず必要な機能から小さく始め、事業や施策の変化に合わせて段階的にデータ活用の範囲を広げられる点が特徴です。

Visionaryの導入事例から見るCDP活用イメージ

CDPを比較するときは、機能だけでなく、実際の企業がどのような課題を解決しているかも判断材料になります。Visionaryの導入事例を通して、顧客データをどのように統合・活用しているのかを確認しましょう。

①ゴディバ ジャパン:複数チャネルの会員情報を一元管理

ゴディバ ジャパンはVisionaryを導入し、店舗・EC・アプリに分かれていた会員情報を一元化。会員管理業務を効率化し、顧客データを新たなキャンペーンや施策の立案に活用しています。

導入前はチャネルごとに会員組織が分かれ、顧客の買い回り履歴を施策に活用しづらいことが課題でした。そこで、システム連携や会員情報の一元管理、カスタマイズの柔軟性などを評価し、Visionaryを採用しました。

「GODIVA Club」のリニューアル後は、店舗とオンラインショップのポイントを共通化。購入・施策・ポイント履歴を顧客単位で管理・分析し、顧客の行動履歴を活かした施策につなげています。

②ユアサ・フナショク:顧客の成長ステージに応じたサービスを提供

パールホテルを運営するユアサ・フナショクは、Visionaryを活用し、顧客の成長ステージに応じたサービスを提供しています。

導入前は、自社サイトの予約率向上とリピーターの定着に向け、顧客情報を一元管理できる仕組みを検討していました。独自の宿泊予約サイトを構築できる柔軟性などを評価し、Visionaryを導入しました。

導入後は、宿泊履歴などをもとに会員を「エアリー」「ゴールド」「プラチナ」に分類し、ランクに応じてポイント還元率やサービスを変更。さらに、会員登録時の流入経路を分析して効果の高い広告媒体を見極めるなど、顧客理解や新規顧客の獲得にもデータを活用しています。

【関連リンク】
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まとめ

CDPは製品によって、得意とするデータ規模や搭載機能、導入期間、運用方法などが異なります。そのため、機能数の多さだけで比較するのではなく、自社の導入目的や必要な機能、導入スケジュール、運用体制などを整理したうえで選ぶことが重要です。

大規模なデータを活用した高度な分析や、幅広いマーケティング機能を必要とする企業には、多機能なCDPやマーケティングプラットフォームが適しています。一方、必要以上に多くの機能を導入すると、使わない機能が増えたり、導入・運用にかかるコストや期間が大きくなったりする可能性があります。

Visionaryは、顧客データの取込・加工・名寄せ・分析などのCDP機能に加え、ポイントやクーポンなどのマーケティング機能を必要に応じてオプションで利用できます。必要な機能から導入できるため、使わない機能まで導入する必要がなく、コストを抑えながらスモールスタートしたい企業適した選択肢です。

 また、企業独自の要件への対応や認証基盤の構築が必要な場合には、カスタマイズモデルも選択できます。自社が現在必要としている機能と将来の拡張性を踏まえて、最適なCDPを検討しましょう。

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