CDPと認証基盤の連携が必要な理由とは?構築方法の違いと選定ポイントを解説

顧客データの活用を目的として、CDPの導入やリプレイスを検討する企業が増えています。しかし、既存の会員システムとのID連携や顧客データの統合を進めるには、CDPだけでなく、ユーザーの認証情報を一元管理する認証基盤についても検討しなければなりません。

CDPと認証基盤を別々の製品として導入する場合、両システムをつなぐための開発が必要です。初期開発費や維持費が増えるだけでなく、不具合が発生した際には複数のベンダーとの調整や原因の切り分けが求められ、運用担当者の負担が大きくなる可能性があります。

こうした課題を抑える方法の一つが、CDPに認証基盤を連携できる統合データプラットフォームの活用です。エーアイが開発するVisionaryはCDPを標準搭載しており、認証基盤もオプションとして連携できるため、大規模なシステム連携開発を行わずに顧客データの統合と安全な認証環境の構築を進められます。

本記事では、CDPと認証基盤の役割や連携が必要な理由、別々に導入する際の課題を解説します。あわせて、Visionaryを活用してCDPと認証基盤を構築する方法や、製品選定時に確認したいポイントも紹介します。

CDPと認証基盤とは

CDP(Customer Data Platform:カスタマー・データ・プラットフォーム)とは、企業内に分散している顧客情報を収集および統合し、1人の顧客として一元管理するためのシステムです。Webサイトの閲覧履歴や購買履歴、会員情報、アプリ利用状況などを統合することで、顧客理解の向上やマーケティング施策の最適化を実現します。

一方、認証基盤とは、ユーザーのログイン認証やアクセス制御、個人情報の管理を担うシステムです。複数のサービス間で安全かつ一貫したユーザー認証を実現し、セキュリティと利便性を両立させます。

CDPが顧客データの活用を担うのに対し、認証基盤は顧客の認証情報を管理する役割を担っており、これらの連携により精度の高い顧客データ管理が可能になります。

なぜ「CDP」と「認証基盤」の連携が必要なのか?

近年、多くの企業において、ECサイトや実店舗、スマートフォンアプリ、会員サイトなど複数の顧客接点(チャネル)が運用されています。しかし、チャネルごとに異なる会員情報やログイン情報を管理していると、顧客データが分散し、一貫した顧客体験の提供が難しくなります。またログイン情報が点在している状況はセキュリティの観点からも望ましくありません。

こうした課題を解決するために重要なのが、CDPと認証基盤の連携です。認証情報の一元管理によりセキュリティ対策を強化しながら、顧客データを安全に活用できる環境を構築可能です。複数チャネルを展開する企業にとって、CDPと認証基盤の連携は顧客理解の向上と安全なデータ活用を両立するために欠かせない仕組みといえるでしょう。

企業側のメリット

複数チャネルの運用をしている企業が、各チャネルに点在する顧客情報を統合できるのがCDPです。

一方で複数チャネルの運用には各チャネルごとにログインが必要になるため「それぞれの認証情報を守らなければならない」「ログインに手間取ったユーザーが離脱してしまう」等の問題点があります。

認証基盤の導入により、企業は高度なセキュリティを担保しながら顧客データを統合および活用できるようになります。認証基盤のセキュリティを高めることで、複数の認証情報をそれぞれ守るのではなく、認証基盤ひとつに集約することが可能になるのです。

例えば、ECサイトやアプリ、会員サイトなど複数のサービスを運営している場合でも、認証基盤を活用すれば1つのIDでログインできる環境を構築できるため、各チャネルごとに個別の認証システムを管理する必要がなくなります。
またユーザーがサービスごとに異なるIDやパスワードを入力する必要もなくなり、ログイン時の離脱防止につながります。

ユーザー側のメリット

ユーザーにとっても、CDPと認証基盤の連携には大きなメリットがあります。代表的なものが、1回のログインで複数のサービスやチャネルを利用できる利便性です。ECサイト、アプリ、会員向けサービスなどを同じIDで利用できるため、複数のアカウントを管理する手間がなくなり、快適な利用体験を実現できます。

また、認証基盤によって個人情報や認証情報が適切に保護されるため、安全性の向上にもつながります。さらに、CDPによって顧客データが統合されることで、ユーザーの興味・関心や利用状況に応じた情報提供やキャンペーン案内を受けられるようになる点もメリットです。

加えて、問い合わせ時には過去の利用履歴や契約情報などを企業側が把握しやすくなるため、状況説明を繰り返す必要が少なくなり、スムーズなサポート対応が期待できます。利便性と安全性を両立できることは、ユーザー満足度の向上にもつながります。

どう構築するのが正解?個別連携とオプション導入を比較

CDPと認証基盤を構築する方法には、「個別連携」と「認証基盤をオプションで導入する方法」があります。

どちらを選択するかにより、導入コストや運用負荷、データ活用のスピードなどに違いがあります。自社の要件や運用体制に合わせて最適な方式を選ぶことが重要です。

①個別連携

個別連携は、CDPと認証基盤をそれぞれ独立した製品として選定し、システム連携によって利用する方法です。用途に応じて最適なツールを選べるため、機能面での自由度が高い点がメリットです。一方で、両システムを連携させるための設計や開発が必要となり、初期費用が高額になる傾向があります。

また、顧客IDの統合ルールや名寄せルールを自社で設計および管理しなければならず、運用負荷も小さくありません。データ連携の仕組みが複雑になるほど、データ同期の遅延や不整合が発生するリスクも高まります。さらに、トラブル発生時には複数ベンダーとの調整や原因切り分けが必要になるため、自社側の対応負担が大きくなる点にも注意が必要です。

②認証基盤をオプションで導入

CDPによっては、認証基盤機能をオプションとして導入できる製品もあります。CDPと認証基盤があらかじめ連携しやすい構造になっているため、個別連携のような大規模な連携開発を行う必要がありません。その結果、初期開発費やシステム間連携の保守費用を抑えやすく、導入期間の短縮にもつながります。

また、認証情報と顧客データが同じ基盤上で管理されるため、顧客がログインした瞬間の行動データをリアルタイムで活用できます。データ連携によるタイムラグが発生しにくく、迅速なマーケティング施策の実施が可能です。

さらに、顧客認証からデータ統合および分析までを一気通貫で運用できるため、システム構成をシンプルに保ちやすいというメリットもあります。セキュリティポリシーやアクセス権限もまとめて管理できるため、運用効率と安全性の両立を実現しやすい方法といえるでしょう。

Visionaryは、CDPに認証基盤をオプションとして導入できます。CDPと認証基盤を個別に選定して連携する必要がないため、大規模な連携開発を行うことなく、顧客認証から顧客データの統合・活用までを一つの基盤で運用できます。

個別連携による開発コストや運用負荷を抑えながら、認証データと顧客データを活用したマーケティング施策を実施したい企業にとって、Visionaryは選択肢の一つとなり得ます。

選定時に同時に検討するべき2つの要素

CDPと認証基盤を選定する際は、機能や価格だけで判断するべきではありません。導入後の運用や将来的な事業成長を見据え、自社に合わせたカスタマイズ性と、セキュリティおよび個人情報保護体制を確認することが重要です。

①自社に合わせたカスタマイズができるか

CDPや認証基盤は導入自体が目的ではなく、自社のマーケティング施策や顧客体験の向上に活用することが目的です。そのため、自社の業務や運用に合わせて柔軟にカスタマイズできるかを事前に確認する必要があります。

企業によって管理したい顧客情報は異なります。会員ランクや契約情報、保有ポイント、利用店舗など、自社独自の顧客属性や会員情報を追加できるかどうかは重要な確認ポイントです。また、顧客分析やマーケティング施策を行う際には、顧客セグメントを柔軟に設定できると良いでしょう。

さらに、システム導入後の運用負荷も考慮する必要があります。専門的な開発知識がなくても、管理画面から設定変更やデータ活用を簡単に行えるかどうかを確認しておくと、運用効率の向上につながります。加えて、新たなサービスの立ち上げや事業拡大にあわせて機能を追加および拡張できる点も重要です。将来の変化に対応できる柔軟性を備えたシステムを選ぶことで、長年使い続けても追加開発の費用が最小限に抑えられ、コストパフォーマンスが高くなります。

②安全性とシングルサインオン

CDPと認証基盤は、顧客の氏名やメールアドレス、購買履歴などの重要な個人情報を扱うシステムです。そのため、機能面だけでなく、十分なセキュリティ対策が講じられていることを確認しなければなりません。

特に、認証基盤がOpenID ConnectやOAuth2.0といった基準に準拠しているかどうかは重要な確認ポイントです。これらに準拠したシステムであれば、安全なトークンを利用した認証を実現できるため、IDやパスワードを各システムで保持する必要がなくなり、情報漏えいのリスクが低減されます。

また、シングルサインオンに対応している認証基盤であれば、複数のサービスを1回のログインで利用できるだけでなく、認証ポリシーを一元管理できるため、運用負荷の軽減とセキュリティレベルの統一を両立できます。加えて、ログイン画面や会員登録フォームを自社ブランドに合わせて柔軟にデザインできるか、認証済みユーザー限定でアンケートやポイント、クーポンなどの施策を実施できるかも確認するとよいでしょう。

さらに、新たなサービスを開始した際に認証先を追加できる拡張性も重要です。事業拡大やサービス追加の度に認証基盤を作り直す必要がなく、将来の開発コストや運用負荷を抑えられるためです。

統合データプラットフォーム「Visionary」

本記事で解説したように、CDPと認証基盤を別々に導入して連携する場合には、システム連携の複雑化や高額な開発費、運用負荷、トラブル対応などさまざまな課題が発生します。こうした『システム連携の壁』をすべてクリアし、CDPに認証基盤をシームレスに導入できるように開発されたのが、統合データプラットフォームVisionaryです。

Visionaryは、高度なCDP機能を標準搭載し、認証基盤をオプションとしてシームレスに組み込める統合データプラットフォームです。顧客認証から顧客データの統合・分析・活用までを1つの基盤で実現できるため、複数システムを個別に連携する場合に発生する複雑な開発や運用負荷を大幅に軽減できます。

また、顧客のログイン情報や行動データの蓄積、顧客分析やパーソナライズされた施策の実施も可能です。さらに、認証情報と顧客データを統合的に管理できることから、セキュリティと利便性を両立した顧客体験の提供にもつながります。

さらに、OpenID ConnectとOAuth2.0に準拠した仕組みであり、シングルサインオンの機能も実装しています。そのため安全な環境でユーザーに利便性を届けることが可能です。

詳しい機能や導入事例については、Visionaryの製品紹介ページをご覧ください。