社内研修で動画配信を使うメリット・デメリットを解説

2023/12/25 / 社内業務効率化

様々な企業の社内研修において、動画配信という形態が広く利用されています。
一方で、まだ利用したことのない企業様の中には、本当に動画で研修の効果を得られるのかどうか、半信半疑の方も多いのではないでしょうか。

当記事では、動画配信を利用した社内研修のメリット・デメリット、活用事例などをご紹介しています。

社内研修で動画配信を活用するメリット

社内研修で動画配信を活用する主なメリットを見てみましょう。

いつでもどこでも研修を受けられる

動画配信を活用すれば、端末・ネット環境がある限り、いつでもどこでも研修を受けられます。
勤務時間中にオフィス内で動画を視聴することはもちろん、仕事帰りのカフェ、帰宅後や休日の自宅、出勤途中の電車内など、あらゆる日時・場所で研修を受けられます。

動画研修の途中で一時停止にし、状況が整ってから改めて続きを受講できるなど、柔軟な視聴システムも動画研修のメリットとなるでしょう。

いつでもどこでも研修を受けられる形なので、日時と場所の決まった集合型の研修に比べ、参加率・受講率の向上も期待できるのではないでしょうか。

質の高い研修を安定的に提供できる

品質の高い研修を社内へ安定的に提供できる点も、動画配信を活用するメリットと言えるでしょう。
一方で集合型の研修の場合、仮に同じ研修テーマだったとしても、指導する講師により研修内容にムラが生じます。教え方のうまい講師、なかなか受講者に伝わりにくい講師など、各講師の指導レベルも異なるでしょう。

これらの限界を抱える集合型研修に対し、初めから質の高い講師による質の高い研修動画を制作しておけば、全ての受講生に対して常に安定した品質の研修を提供することが可能となります。

なお、社内研修向けの動画は、聴覚的な安定性が受講者の理解を深めるポイントの1つ。
弊社(株式会社エーアイ)が提供する「AITalk®」は、社内研修向けの動画に安定的で聞き取りやすいナレーションを入れられる音声ソフトとして、すでに多くの企業から導入されています。

反復学習により研修内容の定着率向上が期待できる

動画による研修教材は、何度でも繰り返し受講可能です。全体を通して複数回受講することもできれば、理解できなかった部分や音声を聞き逃した部分を再確認することも可能。
倍速機能などを使い、時短しながら反復学習することもできます。

一方で集合型の社内研修の場合、通常、何度も同じ研修を行ってもらうことはできません。
また、理解できなかった部分を質問することは可能ですが、他の受講生もいる以上、自分のペースで質問ばかりすることは好ましくないでしょう。
当然、講師に倍速で研修してもらうこともできません。

その機能性を活かして知識の定着率向上を図れる点は、動画研修のメリットの1つと言えるでしょう。

何度でも繰り返し同じ教材を使える

一度動画教材を作成してしまえば、何度でも繰り返し同じ教材を活用できる点もメリットです。
事後的に動画の内容・表現を微調整する必要はあるかもしれませんが、モデルチェンジや新商品の開発等がない限り、初めから動画教材を作り直す必要はないでしょう。

一方で集合型の研修の場合、同じ研修を繰り返して提供するためには、相応の時間やコストが必要です。反復的に行う同じ研修に対し、集合型の研修は非効率的と言えます。

研修コストの削減が期待できる

集合型研修に比べ、研修コストを抑えられる点も動画研修のメリットとなるでしょう。
集合型研修の場合、会場を押さえるコストや会場までの受講生の交通費、外部の専門家や研修や進行を依頼する費用など、様々なコストが掛かります。

一方で動画研修の場合、動画の作成には一定のコストが掛かるものの、内容によっては自社のみで制作できるものも少なくないため、少なくとも集合型研修に比べるとトータルコストを大きく節約できる可能性があるでしょう。

社内研修で動画配信を活用するデメリット

社内研修で動画配信を活用する主なデメリットを見てみましょう。

動画制作のための費用や手間がかかる

研修用の動画制作には一定のコストがかかります。
集合型の研修に比べて長期的には低コストとなる可能性が高いものの、制作のための初期費用は決して安くない点は理解しておきましょう。

ちなみに、研修用の動画を制作する方法には映像制作会社に動画制作を依頼する方法と自社でオリジナルの動画を制作する方法の2通りがありますが、自社で動画を制作する場合でも最低限の機材等を購入する必要があるので、初期費用は決して安くありません。
また、構成や編集などを行うための手間がかかる点も理解しておかなければなりません。

リアルタイムでの議論や直接的なコミュニケーションがない

集合型の研修の場合、同じ場に講師や同僚など多くの人間が集うため、必然的にリアルタイムでの質疑応答やコミュニケーションが生まれます。
これらの直接的なやりとりから得られるメリットは、意外と多いでしょう。

一方で動画による研修の場合、基本的に他者と関わることはありません。
研修を通じて他者から刺激を受けたり、新たな人間関係が構築されたりすることがないため、得られるものが多い一方で得られないものも少なくありません。

受講中の緊張感がなく集中力が下がる可能性もある

動画による研修は、他人の目を避けて1人で受講できるため、集合型の研修とは違って緊張感がありません。
受講に対する心理的なハードルが下がる点はメリットとなるかもしれませんが、緊張感のなさから集中力が生まれず、かえって知識の定着率が低下する可能性もあります。

動画でも良い研修と集合型のほうが良い研修

動画配信でも良い研修と集合型のほうが良い研修について、それぞれの違いを確認しましょう。
いかに動画研修が効率的とは言え、すべての社内研修を動画で行ったほうが良いというわけではありません。

動画でも良い研修

商品・サービスの基本的な知識の習得

自社が提供している製品・サービスの基本的な知識の習得が目的ならば、動画による研修で十分に対応可能です。
新入社員に対する商品・サービス研修はもちろんのこと、新商品・新サービスが生まれた時の既存社員への研修にも有効です。

業務手順の習得

顧客へのサービス提供やクレーム対応など、各種の業務手順の習得にも動画研修が向いているでしょう。
もちろん、すべての業務を定型的な範囲に収めることはできませんが、業務の基礎的な流れを習得するならば動画研修でも十分に力を発揮します。

全体での情報共有

会社方針や部署の目標、業績結果など、全体での情報共有が目的の研修は動画配信で対応可能です。
一方的に情報を伝えることが目的の研修では、積極的に動画配信を利用しましょう。

集合型のほうが良い研修

グループワークが必要な研修

Web会議ツールなどでもグループワークは可能ですが、相手の顔色を伺ったりリアクションから機微を感じ取れたりできる点では、グループワークによる研修は集合型のほうが適しているでしょう。

ロジカルシンキング研修

情報の整理、論理的な思考、適切な情報伝達方法などを学ぶ機会がロジカルシンキング研修。
オンラインでの研修も可能ですが、多くの社員に一律で受講してもらうほうが効率的との視点から、集合型で行われることが多いとされています。

技術面での実践が必要な研修

技術面での実践や練習が必要な研修は、動画ではなく集合型・対面型のほうが適しているでしょう。
テクニカルな業務は、動画や音声、テキストのみから習得を目指すことは非効率的。すでに技術を習得している講師を前に、実践を通じて覚えていくほうが良いでしょう。

社内研修における動画配信の活用事例

社内研修用の動画では、弊社(株式会社エーアイ)が提供している音声合成システム「AITalk®」が有効に活用されています。活用事例をご紹介しましょう。

自社グループ内、および一般企業に向けた各種コンサルティングを業務としている株式会社NTTデータユニバーシティ。
テクニカル領域におけるコンサルティング業務の一環として、同社が手がける総合ソリューションシステムの研修動画の作成をしたそうです。

人が登壇して説明する一般的な動画教材も制作した経緯があったものの、将来的に一部分のみ修正する必要が生じた際、対応の難しさを経験。
AITalk®のナレーションシステムを導入し、単語導入やフレーズ登録機能を最大限に活用することで、動画教材の制作作業が効率化に成功。

今後、動画配信型でも良い研修と集合型のほうが良い研修をより明確に分け、動画配信型の研修においては積極的にAITalk®を活用していきたいという声を頂いております。

株式会社NTTデータユニバーシティ様の活用事例を見る

【まとめ】動画配信を活用した社内研修の利点と課題

  • 動画配信を用いた社内研修は、場所や時間に縛られず、高品質な教材を安定的に提供でき、反復学習による知識の定着やコスト削減が期待できます。
  • 一方で、動画制作の初期費用や手間、リアルタイムでの議論の欠如、受講中の集中力低下といった課題も存在します。
  • 商品・サービスの基本知識習得や業務手順の習得、全体での情報共有などは動画研修が適していますが、グループワークやロジカルシンキング研修、技術面での実践が必要な研修は集合型が良いでしょう。
  • 動画配信型と集合型の研修を適切に組み合わせ、それぞれの研修形式のメリットを最大限に活用することが求められます。
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