研修動画の作り方を解説!効果的な作り方の手順とは?

2023/12/25 / 社内業務効率化

従来、企業での研修は集合形式や対面形式が一般的でしたが、昨今では人材不足やコスト削減などを背景に、動画形式での研修も一般的に行われるようになりました。

動画研修に抵抗のある企業もあるようですが、動画研修には動画研修にしかないメリットがあることも事実。ぜひ、自社で研修動画を作成し、その効果やメリットを実感してみてください。

本記事では、研修動画の作成に向けた準備、研修動画の作り方の手順、研修動画の作成事例などをご紹介しています。

研修動画の作成に先立って必要となる準備

研修動画の作成に向けて必要となる3つの準備を確認しましょう。

研修を通じて達成したいゴール・目標を明確にする

初めて研修動画を作成する方の中には、研修動画を作ること自体が目的化している方も少なくありません。
その気持ちは十分に分かりますが、あくまでも動画の目的は「研修」です。研修である以上、動画を通じて従業員の意識や行動を変える・成長させることが動画の目的となります。

研修動画を作成する際には、研修を通じて達成したいゴール・目標を明確にすることが大前提。
「接客マナー研修動画を全従業員に受講してもらい、1か月後のクレームの本数を10%減らす」「新商品を理解する研修動画を営業部署に受講してもらい、リリースから1か月で1億円の成約を目指す」など、具体的な日付や数値を入れたゴール・目標を設定することが理想的です。

ゴール・目標達成に必要な研修テーマと動画本数を決める

研修動画のゴール・目標を明確にしたら、そのゴール・目標の達成に必要となる研修テーマ、および必要な動画本数を検討します。
ここで注意したい点が、「研修テーマの数=動画本数」とすること。

原則として、1本の動画の中には1本のテーマのみ収録しましょう。
10のテーマがあるならば、動画は10本作成します。1本の動画の中に複数のテーマを詰め込んだ場合、紙ベースの研修教材とは異なり、必要なテーマを探すのが大変だからです。

基本的に動画教材は、最初から最後まで通して視聴して研修を受ける形になることを念頭に置き、受講者の利便性を考えて動画の構成を検討しましょう。

撮影機材や動画編集ソフトを選ぶ

研修動画のテーマと動画本数が決まったら、それらの動画作成に適した撮影機材や動画編集ソフトを選択します。

撮影機材や動画編集ソフトの選択基準は、後述する「動画の形式」。
大きく分けてセミナー形式・マニュアル形式・ドキュメンタリー形式の3種類があるので、研修動画の形式に適した撮影機材・動画編集ソフトを選びましょう。

研修動画の作り方の手順

研修動画の基本的な作り方の手順を見てみましょう。

研修動画のターゲットや目的に応じた企画を立てる

最初に研修動画のターゲット(新入社員、営業部署、管理職など)を決め、それぞれのターゲットに「動画研修を通じてどうなってほしいのか」という目的を明確化。ターゲットと目的に応じ、具体的に研修動画の企画を立てる流れとなります。

企画を立てる際には、取り扱うテーマやトピックを具体化。これらのテーマ・トピックに応じ、動画の大まかなコンテンツをイメージします。
研修動画のターゲット・目的が具体化して企画をイメージできたら、次に動画の形式を考えましょう。後述する「セミナー形式」「マニュアル形式」などです。

動画の台本を作成する

研修動画の形式を決めたら、それぞれの形式に必要な台本を作成します。
研修動画の形式を大きく分けると「セミナー形式」「マニュアル形式」「ドキュメンタリー形式」の3種類。それぞれの概要とあわせ、台本作成のポイントを見ていきましょう。

セミナー形式

セミナー形式の研修動画とは、実際に研修を行う講師の姿を撮影した形式の動画のこと。
学習塾・予備校で見られる「生徒に教える先生の授業風景をそのまま撮影した動画教材」に似たイメージの研修動画になります。

セミナー形式の研修動画の台本は、実際の講義の流れをシナリオとして作成するのみ。
話すべきトピックを全て列挙し、話すタイミングを考慮して並べ替えます。シナリオから外れて多少脱線することは構いませんが、脱線しすぎると焦点のぼやけた研修動画となるため、研修の軸がブレないよう台本は必須です。

なお、セミナー形式の研修は、講師の身振り手振りや話し方の抑揚により説得力が増すこともあるので、事前にリハーサルを行ってみてはいかがでしょうか。

マニュアル形式

マニュアル形式の研修動画とは、サービスの流れや接客の流れなどを伝える形式の動画のこと。
実際に人が役割を演じて流れを説明するタイプもあれば、アニメーションを使って分かりやすく説明するタイプなどもあります。

いずれのタイプを採用するにせよ、サービスや接客の流れを分かりやすく伝えるための台本を用意することが必須。
実写版であれば、店員役とお客さん役のキャストを設定してセリフを用意したり、アニメーション版であれば、イラストを登場させるタイミングや動きを決めたりなど細かい台本・シナリオを設定しておきましょう。

ドキュメンタリー形式

ドキュメンタリー形式の研修動画とは、実際に働いている従業員の姿や社長のインタビューなどを収めた形式の動画のこと。
新入社員の募集広告動画などでよく目にする形式ですが、もちろん社内研修を目的にドキュメンタリー形式を採用しても構いません。

一見、普段の自然な姿を撮影している動画に見えますが、特定の目的を持つ研修動画である以上、事前の綿密な台本作りは欠かせません。
例えば、従業員の1日を紹介する動画の場合、あらかじめ1日の大きな流れを確認して整理し、台本の中で撮影の段取りをまとめておきます。

あるいは、社長へのインタビュー動画を撮影する場合には、事前に社長へ撮影当日の質問内容を伝えた上で、どの質問をどのタイミング・場所で行うかを台本で決めておきましょう。

撮影する

事前に作成した台本・シナリオに従い、実際の撮影を行います。
セミナー形式やドキュメンタリー形式の研修動画ならば、なるべく明るい場所で撮影することがおすすめです。

必要に応じて照明機材の利用も検討しましょう。
また、機械の操作法などを伝えるマニュアル動画の場合、あらゆる角度から機械を撮影し、視聴者に分かりやすく構造を伝えましょう。

動画を編集する

撮影した動画をカットしたりつないだり、ナレーションを追加したりBGMを入れたりなど、研修動画の内容が視聴者に伝わりやすくなるよう細かく編集します。
ナレーションを入れる際には、時々端的な言葉にまとめたテロップを入れると視聴者の理解がスムーズになります。

なお、研修動画はあくまでも「動画」を中心にモノを伝える媒体なので、動画のみで伝わる内容に対し、余分なテキストを加える必要はありません。
情報を詰め込み過ぎないことも研修動画を編集する際のコツです。

研修動画を自社で作成した事例紹介

社内で使用する研修動画を作成した事例をご紹介します。

アサヒ飲料株式会社の品質保証部では、新しく部署へ入ったメンバーに向けて動画による研修を行っていました。
コロナ禍における在宅勤務者も多かったため、在宅で研修を受けられるよう動画研修を採用。

当初、動画のナレーションは社内の担当者が行っていたものの、担当者も在宅勤務であることから、音声の収録に適した環境を整備することが難しい状況に。
また、人の声によるナレーションで読み間違いが生じた場合、最初から取り直す必要が生じることも課題でした。そこで同社では、弊社(株式会社エーアイ)の音声合成システム「AITalk®」を導入。

音声合成システムなので録音環境を整える必要もなく、また読み間違えによって収録し直す必要もなくなったため、研修動画の作成における多くの課題が解消されたとのことです。
なお、「AITalk®」の音声合成システムについて、研修を受けた従業員からは「機械音声だからかえって聞きやすい」という声も上がっているようです。

アサヒ飲料株式会社様の活用事例を見る

【まとめ】研修動画の作り方:効果的な準備と手順

  • 研修動画作成には、達成したいゴール・目標の明確化、研修テーマと動画本数の決定、撮影機材や動画編集ソフトの選択が必要です。
  • 研修動画の企画は、ターゲットと目的に基づき、取り扱うテーマやトピックを具体化します。
  • 動画の台本作成は、研修動画の形式(セミナー形式、マニュアル形式、ドキュメンタリー形式)により異なります。
  • 台本に基づき撮影を行い、その後研修動画の内容が視聴者に伝わりやすくなるよう編集しましょう。
関連情報