IVRとは?活用事例と音声作成におすすめのAIツールを紹介

2025/02/22 / 社内業務効率化

IVRの指示に従ってボタンを操作

電話対応の多い企業では、IVR(電話自動応答システム)を活用することで、業務効率化と顧客満足度向上を実現できます。ただし、IVRという言葉は知っていても、仕組みや機能、活用方法まで把握していない方もいるかもしれません。

本記事では、IVRの基本から種類、導入によるメリット、具体的な活用方法までを解説します。選定のポイントや導入時の注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

IVRとは

IVR(Interactive Voice Response)とは、電話着信時に自動で音声ガイダンスを流し、用件に応じたプッシュボタン操作により、適切な担当者や部署に電話を転送するシステムです。仕組みや機能について、以下で解説します。

IVRの仕組み

IVRは、発信者からの入電に対し、以下のシーケンスに沿って動作します。

  1. 自動応答
    発信者が電話をかけると、まずIVRが応答し、「〇〇の方は1番を、△△の方は2番を押してください」といった音声ガイダンスを流します。
  2. 発信者の操作
    発信者はガイダンスに従い、スマートフォンのキーパッド(プッシュボタン)や自身の声で番号や用件を伝えます。
  3. 振り分け・情報提供
    IVRはお客様の操作内容を認識し、以下のような対応を自動で行います。
    • 用件に合った担当部署やオペレーターに電話をつなぐ。
    • 営業時間や残高照会など、定型的な質問に自動音声で回答する。
IVRシステムのシーケンス図

IVRの機能

IVRにはさまざまな機能があります。具体的な機能を下表にまとめました。

機能詳細
電話の振り分け顧客からの電話に対し、事前に設定した音声ガイダンスを流し、選択内容に応じて最適な部署や担当者へ自動で振り分ける。
問い合わせに対する自動対応顧客からの一般的な問い合わせやよくある質問に対し、自動で応答する。たとえば、営業時間、店舗の所在地、サービスの概要などを音声ガイダンスで案内する。
折り返し電話の予約顧客がコールセンターに連絡した際、オペレーターが直ちに対応できない場合に折り返しの電話を予約できる。
営業時間外の自動応答IVRは24時間365日稼働するため、営業時間外でも顧客からの問い合わせに自動応答で対応できる。
自動発信による情報案内新しいキャンペーンやサービスの更新情報など、重要なお知らせをIVRを使って顧客に自動的に発信することも可能。

上記のように、IVRは、電話業務の効率化や顧客満足度の向上に貢献する多彩な機能を備えています。これらを活用すれば、オペレーターの負担を軽減し、対応品質の均一化も図れます。自社の課題や目的に応じて、最適な運用方法を検討することが大切です。

IVRと他の電話自動応答システムの違い

電話の自動応答システムにはIVR以外にも音声ガイダンスやAIボイスボットがあり、それぞれできることや役割が異なります。以下で解説します。

IVRと音声ガイダンスの違い

音声ガイダンスは、あらかじめ録音された音声を再生するだけのシンプルなシステムです。例えば、営業時間外に電話がかかってきた際に「営業時間外のため、電話をお受けできません」といったアナウンスを流す用途で使われます。

一方、IVRはより高度な機能を備えており、単に音声を再生するだけでなく、発信者のボタン操作に応じて音声ガイダンスの内容を分岐させたり、電話を別の担当者へ転送したりといった操作が可能です。

IVRとAIボイスボットの違い

IVRは、顧客が電話機のプッシュボタン操作で用件を振り分けるシステムです。あらかじめ録音された音声ガイダンスを発信し、顧客に該当する番号を選択してもらう仕組みになっています。

一方、AIボイスボットは、AIを活用した音声認識や自然言語処理によって顧客の発話内容を理解し、会話を進めるのが特徴です。AIボイスボットは顧客の発話内容に合わせて適切なシナリオで会話を進めるため、ユーザーフレンドリーなシステムといえます。ただし、複雑な初期設定が必要になる点は、注意が必要です。

IVRの種類

IVRには、大きく分けてオンプレミス型、クラウド型、ビジュアルIVRの3種類があります。それぞれの概要を下表にまとめました。

IVRの種類特徴
オンプレミス型専用のハードウェアが必要な従来のIVR。初期費用が高額になりやすい一方、セキュリティレベルが高い
クラウド型インターネット経由でサービスを利用するIVR。初期費用が安く、導入期間も短く済むメリットがある。
ビジュアルIVR電話のボタンではなく、スマートフォンの画面を見ながら操作するタイプのIVR。ユーザーフレンドリーな一方、専用アプリのダウンロードが必要になる。

それぞれのIVRには特徴やメリット・デメリットがあるため、導入前には、費用やセキュリティ、ユーザー体験などの観点から比較検討するとよいでしょう。

IVRを導入するメリット

企業はIVRを導入することにより、以下のようなメリットを得られます。

業務効率化につながる

IVRは、電話を自動で適切な担当者や部署に振り分けるため、転送の手間を減らし、対応時間を短縮できます。担当者を探したり、部署間でたらい回しにしたりする必要がなくなり、対応がスムーズになります。

さらに、IVRの導入は人件費の削減にも有効です。電話対応にあたっていたスタッフを別の業務に充てられるため、人的リソースの最適化が図れます。

コールセンターの業務効率化については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてお読みください。

「あふれ呼」を低減させる

「あふれ呼(あふれこ)」とは、コールセンターや企業の電話窓口で使われる用語で、電話回線やオペレーターがすべて埋まり、着信を受け付けられない状態を指します。

あふれ呼が増えると、企業にとって機会損失のリスクが高まります。こうした状況でも、IVRを導入して着信に一次対応すれば、機会損失を防ぐ手立てとなります。

あふれ呼については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

顧客満足度向上につながる

IVRの導入により、顧客からの電話を担当部署へスムーズにつなげることができ、待ち時間を減らせます。また、電話が混みあっている場合、顧客が「かけ直したほうが良いのか」「待てば良いのか」など、最善のアクションを知ることができるのもIVRのメリットです。

また、簡単な質問であれば自動音声で回答を得られるため、オペレーターと話さずに問題を解決できる場合もあります。電話に関するストレスが軽減することで、顧客満足度の向上につながります。

IVRの音声作成はAI音声合成がおすすめ

IVRの音声品質は、顧客に与える印象を大きく左右する重要な要素です。聞き取りやすく、自然で、かつ企業イメージに合った音声が求められます。そこでおすすめしたいのが、AI音声合成ソフト「AITalk®」です。

AITalk®は「波形接続合成方式」と「新DNN音声合成方式」の活用により、機械音声特有のぎこちなさを抑え、自然な発音を実現しています。イントネーションやアクセント、間の取り方なども細かく調整できるため、より人間らしい、温かみのある音声を作成し、IVRで活用できます。以下ではデモを試すことができます。

AITalkのデモ画面

[AITalk®のデモを試してみる]

IVRとAITalk®の活用事例

IVRとAITalk®はさまざまな場面で活用されています。具体的な事例を見ていきましょう。

【カスタマーセンター】AI音声合成ソフトを利用して声質を統一

電話のオペレーターによって言葉遣いや話し方に差があると、顧客に「対応の品質が悪い」という印象を与えてしまいます。

その点、適切な言葉遣いのテキストを用意してAI音声合成ソフトに読み上げてもらうことで、IVRで常に聞き取りやすい音声を提供できるようになります。

J:COMカスタマーセンターでのAItalk®の活用事例

J:COMカスタマーセンターの事例画像

J:COMカスタマーセンターは、IVRの音声作成にAItalk®を導入し、業務効率化と顧客満足度向上を実現しました。以前はアナウンサーや担当者が音声をレコーディングしていたため、声質、音質、速度にばらつきがあり、顧客から「聞き取りづらい」という声が寄せられていたそうです。

AItalk®の導入により、IVRの音声の品質を均一にし、聞き取りやすさが向上したことで顧客満足度も上がりました。また、クラウド環境への移行によってコロナ禍におけるテレワークでもスムーズな音声作成と共有が可能になり、業務効率化につながったとのことです。

[ JCOM株式会社|お客様事例 ]

【サービス業】インバウンド・アウトバンドの自動化で人的コストを低減

IVRを導入することで、インバウンドとアウトバウンド業務の両方を自動化し、コスト削減を実現できます。例えば、予約受付や問い合わせ対応をIVRで自動化すれば、顧客を待たせることなく24時間対応が可能です。

また、キャンペーン情報や新サービスの案内などを自動音声で配信することで、顧客へのアプローチを効率化できます。

京セラコミュニケーションシステムのAItalk®の活用事例

京セラコミュニケーションシステムの事例画面

京セラコミュニケーションシステムが提供するIVRを導入した入間市立図書館では、AItalk®の高品質な音声合成を活用することで、休館日確認や予約確認といったインバウンド業務、予約案内や延滞督促などのアウトバウンド業務を自動化しました。

これにより、電話対応にかかる人手と時間を大幅に削減し、コストの削減を実現しました。特に、IVRによる延滞督促業務の自動化は、職員のストレス軽減に大きく貢献したとのこと。AItalk®は、文言の変更にも迅速・柔軟に対応できる点も高く評価されています。

[ 京セラコミュニケーションシステム株式会社|お客様事例 ]

【マーケティング】顧客の声をデータ化する効果的な分析を実現

顧客のニーズを的確に捉え、マーケティング施策を最適化するためには、質の高いデータが不可欠です。IVRは年中無休で稼働し、音声データを含む顧客とのやり取りを自動で記録できるため、大量のデータを効率良く収集できます。

イタンジ株式会社AItalk®の活用事例

イタンジ株式会社の事例画像

イタンジ株式会社は、不動産仲介会社向けの物件確認自動応答サービス「ぶっかくん」の音声にAItalk®を採用しています。「ぶっかくん」は、物件が販売中か契約済みかを音声で確認できる仕組みで、仲介会社は情報を効率よく取得でき、管理会社は問い合わせ状況をデータ化しマーケティングに活用できます。

このサービスは24時間365日稼働し、顧客とのやり取りを記録できるため、テキストマイニングに活用しやすい大量データの蓄積も可能です。AItalk®の高品質な音声は、他社との差別化にも役立っているとのことです。

[ イタンジ株式会社|お客様事例 ]

IVRは電話業務の多い企業に必須のシステム

IVRは企業の電話業務を効率化し、機会損失や業務コストを低減できるシステムです。ただし、発信者に正確な情報をわかりやすく伝えるには、高品質な音声データが欠かせません。

AItalk®は自然な日本語をAI音声合成できるソフトのほか、WebAPIも提供しています。クラウドに加えオンプレミス型も展開しており、貴社のシステム環境や目的、予算、求める音質に合わせて最適なサービスを選択できます。

AI音声合成でIVRの運用効率化を図りたい方は、ぜひお問い合わせください。

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