動画研修のメリット・デメリットとは?活用事例や作り方のコツを解説

2024/01/22 / 社内業務効率化

研修コストの削減や人材不足の中の業務効率化、新型コロナ感染拡大をきっかけとしたテレワークの普及などを背景に、近年、対面式の研修に代わって動画視聴による研修が急速に広がっています。

動画で各種の社内研修を行えるようになれば、コスト削減や業務効率化につながるイメージがまず浮かびますが、動画研修には、それら以外にも多くのメリットがあります。

ただし、動画研修の導入によって新たに生まれるデメリットがあることも事実なので、各企業、自社にとってのメリットとデメリットを比較して適切な研修の方法を検討する必要があります。

当記事では、社内に動画研修を取り入れることで生まれる主なメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

また、動画研修を作る際の簡単な流れも解説しているので、導入を検討している企業様はぜひ参考にしてください。

動画研修の主なメリット

動画研修を導入する主なメリットを見てみましょう。

日時や場所を問わず研修を受けられる

講師と受講者が対面・集合して行う研修とは異なり、動画研修なら端末とインターネット環境さえあれば、日時や場所を問わず誰でも研修を受けられます。

通勤途中の電車内でも帰宅途中のカフェでも、受講者に都合の良い場所で自由な時間に研修を受けられる点は、動画研修を導入する大きなメリットとなるでしょう。

高品質な研修を安定的に提供できる

対面・集合型の研修とは異なり、動画研修なら講師による研修内容や指導方法のムラが生じません。

そのため、講師によって意見が異なることがなく、研修を受けるすべての社員が一貫した知識や考え方を身につけることができます。

高品質な研修を安定的に提供し続けられる点は、動画研修を導入するメリットの1つとなるでしょう。

反復学習により知識の定着率が上がる

研修動画は何度でも反復して視聴が可能なので、不明点や失念した点を繰り返し視聴することで、正しい知識が着実に定着します。

視聴したい部分だけをピックアップして反復学習することも可能なので、時短と知識定着の両方を同時に実現します。

同じ研修教材を何度でも使用できる

対面型・集合型で同じ内容の研修を行うためには、その都度、講師を設定して同じ内容の研修を行う必要があります。

コストも時間も手間も掛かることを避けられません。

一方で動画研修の場合、一度動画教材を作成すれば、同じ教材を何度でも使いまわせます。

コスト・手間・時間の削減に大きく貢献するでしょう。

研修コストの削減につながる

対面型・集合型の研修を行う場合、会場を押さえるコスト、参加者を会場に呼ぶための交通費、講師に支払う人件費・外注費など、様々なコストが掛かります。

一方で動画研修なら、動画教材を作るための初期コストは掛かるものの、一度教材を作ってしまえば、以後は基本的にコストがほとんど掛かりません。長期的には大きなコスト削減に貢献するでしょう。

動画研修の主なデメリット

社内に動画研修を導入する主なデメリットを見てみましょう。

動画作成のコストや手間が掛かる

動画教材を作成するための初期段階では、作成のためのコストや手間が掛かります。

教材作成の全行程を自社で行えば節約はできますが、動画教材作成のノウハウが全くないならば、最初はプロの業者に作成を依頼したほうが無難です。

プロに外注すれば、当然、初期コストとしては高くつくでしょう。

リアルタイムでのコミュニケーションを取れない

対面型・集合型の研修ならば、講師と参加者がリアルタイムで質疑応答を行ったりコミュニケーションを取ったりすることが可能です。

動画研修では人間と人間の直接的な関わりがないため、他の参加者から刺激を受けて切磋琢磨したり、新たな人間関係を構築したりすることはできません。

研修受講者の理解度を確認しにくい

対面・集合型の研修とは異なり、動画研修では講師が受講者の反応を確認することができません。

理解できたかどうかを確認するためには、事後的なアンケートを実施するなどの方法しかないでしょう。

その場で受講生の反応や理解度に合わせた柔軟なレクチャーをすることができない点は、動画研修のデメリットの1つと考えられます。

研修動画の作り方の流れ

研修動画の作り方の流れを簡単に見てみましょう。

研修動画のターゲットと目的を明確にする

社内のどのような層に動画研修を受けてほしいのか、動画研修を受けた受講者にどうなってほしいのかを明確にします(ターゲットと目的の明確化)。

まずはターゲットと目的を決めた上で、研修動画の内容を企画します。

研修動画の構成を考える

研修動画の全体的な構成・流れを考えます。一般的な研修教材でいう目次にあたる部分と考えて良いでしょう。

受講者に伝えたいトピックを全て列挙し、それぞれのカテゴリー化や順番などを検討し、各トピックを適切に配置します。

事前資料(シナリオなど)を作成する

動画教材の企画・構成を決めた後、撮影に必要な事前資料(シナリオ・絵コンテなど)を作成します。

研修の形式(セミナー形式・ドキュメンタリー形式・マニュアル形式など)に応じ、適切な事前資料を作成しましょう。

動画撮影を行う

事前資料として作成したシナリオの内容に沿って動画撮影を行います。

セミナー形式やドキュメンタリー形式での研修動画の場合、なるべく明るい場所で撮影してクリアに話すことがポイントです。

マニュアル形式での研修動画の場合には、受講者が対象物の構造を理解しやすいよう多くの角度から撮影することが重要です。

動画を編集する

撮影した動画のうち不要な部分をカットしたり、別途で撮影した素材を挿入したりなどし、動画の完成度を高めていきます。

動画内に適切なタイミングで資料を表示させたり、ナレーションやテロップを入れたりする作業もこの工程に含まれます。

【参考】編集段階におけるAITalk®の導入事例

研修動画の最終フェーズである編集段階においてナレーションを入れることが一般的ですが、このナレーションを人の肉声ではなく、弊社(株式会社エーアイ)の音声合成システム「AITalk®」の利用事例があります。

CTCファーストコンタクト株式会社では、かつて社内研修動画のナレーションを担当者自身の肉声で行っていました。

しかしながら、事前に読みの練習をする必要があることや周囲の音が入ることで、音声の録り直しに工数が掛かることなど、様々な課題を抱えていたようです。

これらの課題を解消するため、研修動画のナレーションにAITalk®による音声合成システムを導入。

結果、担当者が抱えていた課題の大半を解消でき、研修動画の制作に掛かる工数が大幅に削減したという声を頂きました。

CTCファーストコンタクト株式会社様の活用事例を見る

【まとめ】動画研修の活用:メリット・デメリット、そして作成までの流れ

・動画研修は視聴する場所や時間に縛られず、高品質な教材を安定的に提供し、反復学習による知識定着やコスト削減に寄与します。

・一方で、動画作成の初期コストや手間、リアルタイムのコミュニケーションの欠如、受講者の理解度の確認の難しさなど、デメリットも存在します。

・研修動画の作成には、ターゲットと目的の明確化、全体的な構成の考慮、事前資料の作成、動画撮影、そして編集という流れがあります。

・動画研修の導入は、そのメリットとデメリットを比較検討し、自社のニーズに合った形で進めることが重要です。

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