コールセンターのあふれ呼対策とは?機会損失を防ぐ方法を解説

2024/03/19 / 社内業務効率化

コールセンターは、顧客と直接コミュニケーションを取る重要な接点です。

入電量の増加に伴う「あふれ呼」は、サービス品質の低下や顧客満足度の損失を招く恐れがあります。

この問題に対処するためには、適切なあふれ呼対策が必要です。

本記事では、コールセンターのオペレーション効率を向上させ、機会損失を防ぐための対策を紹介します。

あふれ呼とは

あふれ呼とは、コールセンターへ電話が集中し、入電量がオペレーターの数を超えることで、顧客が十分なサポートを受けられずに待たされる状態を指します。

あふれ呼は、待ち呼や待機呼とも呼ばれ、コールセンターの運営において大きな課題となっています。

あふれ呼対策がなぜ必要なのか?

顧客満足度が低下につながる

コールセンターへの問い合わせで、電話がつながらない状況は顧客の不満に直結します。

顧客は解決を求めて電話を掛けているため、その期待に応えられない時間が長引けば長引くほど、顧客満足度は低下することになります。

この状況は、サービスへの信頼度低下を招き、最終的にはリピート率の低下や悪評が拡散される原因にもなりかねません。

機会損失になる

あふれ呼は、企業の機会損失にもなります。 

新規顧客が商品・サービスの詳細を知るためにコールセンターに連絡した際、電話がつながらなければその顧客を逃してしまうことになります。

特に、購入を検討している顧客が対象であれば、企業の売上機会の損失を意味します。

また、既存顧客の場合でも、サポートが得られないことによる不満が退会やサービス変更の動機となり得るため、顧客が離れてしまう可能性があります。

オペレーターの負担が大きくなる

コールセンターが直面するあふれ呼は、単に顧客サービスの質の低下にとどまりません。

オペレーターへの負担も増やし、従業員のモチベーション低下や最終的には離職率の上昇にもつながりかねません。

顧客からの連続した問い合わせに迅速に対応できない状況は、オペレーターにとっても大きなストレスとなります。

また、あふれ呼が原因でクレーム対応が増加すると、それがさらにオペレーターの負担増加に直結します。

従業員が充実した環境で働けるようにするためにも、あふれ呼対策は避けて通れない課題です。

企業イメージの低下につながる

あふれ呼は、企業イメージの損失にもつながります。

顧客がコールセンターにアクセスできない状況は、サービスへの不信感を生み出し、SNSなどを通じて瞬時に悪評が広まる可能性も。

長期にわたるブランドイメージの低下は、新規顧客の獲得を難しくし、既存顧客の離反を招くことがあります。

企業の信頼性を維持するためにも、あふれ呼対策は避けて通れない課題と言えるでしょう。

4つのあふれ呼対策

オペレーターを増員する

コールセンターでのあふれ呼対策の一つがオペレーターの増員です。

顧客からの問い合わせに対して迅速に対応できる人員が十分にいれば、待ち時間を減らし、顧客満足度を高めることができます。

増員は予測されるピーク時やキャンペーン期間中など、一時的な需要の増加に対応するために有効な手段です。

ただし、人件費の増加に繋がるため、コストと効果を慎重に検討する必要があります。

アウトソーシングを利用する

コールセンターの運営を外部の専門業者に委託するアウトソーシングもあふれ呼対策の一つです。

アウトソーシングを利用することで、必要に応じて柔軟に人員を増減させることが可能となり、コスト効率よくオペレーションを管理できます。

また、専門業者には豊富な経験と知識があるため、顧客対応の質の向上にもつながる可能性があります。

アウトソーシングは、内部での人材確保が難しい場合や、専門知識を要するサービスを提供している場合に効果的です。

チャットボットやFAQを導入する

あふれ呼対策の一つとして、チャットボットやFAQの導入は有効です。

これらのツールは、顧客から寄せられる一般的な質問や疑問への回答を用意しておくことで、電話による問い合わせの数を減少させる可能性があります。

また、24時間365日対応可能な点も大きな利点です。

顧客は自分の都合の良い時に、必要な情報を簡単に入手できるようになり、コールセンターへの負担が軽減されるだけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。

IVR(音声自動応答システム)を導入する

IVRはコールセンターにおけるあふれ呼対策の強力なツールです。

顧客からの電話がかかってきた際に、音声ガイダンスによって顧客を適切な情報や担当者に誘導するシステムです。

IVRを活用することで、顧客の問い合わせ内容に応じて自動的に分類し、適切な対応を提供することができます。

これにより、オペレーターへの直接の問い合わせ件数を減らし、あふれ呼を効果的に管理することが可能になります。

さらに、IVRシステムはコールセンターの業務時間外でも基本的な顧客対応が可能であり、顧客からの問い合わせに対して迅速に対応できるため、顧客満足度の向上に貢献します。また、オペレーターがより専門的なサポートが必要な問い合わせに集中できるようになり、全体の対応品質の向上が期待できます。

これらの対策は、コールセンターが直面するあふれ呼の問題に対処し、顧客満足度を高めるだけでなく、オペレーションの効率化を実現するための重要なステップです。

あふれ呼対策における音声合成システムの役割

コールセンターのあふれ呼対策において、音声合成システムは重要な役割を担っています。

IVRにおけるナレーターの音声として、弊社(株式会社エーアイ)が提供する音声合成システム「AITalk®」が活用されています。

AITalk®の利点は、ナレーションの速度調整や抑揚、音の高さなどを細かく調整できることにあります。

これにより、顧客がより理解しやすく、かつ聞き取りやすい音声ガイドを提供することができます。

また、システム導入後のナレーションの修正についても、テキストデータの修正だけで対応可能となるため、迅速かつ柔軟な更新が実現します。

音声合成デモもありますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

AITalk®音声合成デモを体験する

音声合成システムAITalk®の活用事例

株式会社WOWOWコミュニケーションズでは音声合成システム「AITalk®」によるIVRの音声を導入しています。

「AITalk®」を導入する前は、以下3つの課題がありました。

・複数人の声による継ぎはぎのガイダンスになっていた

・同じ担当者の声でも日によってトーンが微妙に違うこともあった

・お客様からガイダンス音声が聞き取りづらいといったご意見をいただくことがあった

「AITalk®」導入後には、高品質で統一感のあるガイダンスになり、お客様からの聞き取りづらいという意見もなくなったという声を頂きました。

株式会社WOWOWコミュニケーションズ様の活用事例を見る

まとめ

コールセンターのあふれ呼は、顧客満足度の低下や企業イメージの低下につながるため、適切な対策が必要です。 

以下のポイントを踏まえ、あふれ呼対策を実施しましょう。

・オペレーターを増員することで、繁忙期の対応力を強化する。 

・アウトソーシングを利用し、専門業者による高品質な対応をする。 

・チャットボットやFAQの導入により、顧客自身で問題解決ができるサービスを提供する。

・IVR(音声自動応答システム)を導入して、効率的な振り分けを実現する。

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