導入製品もしくはサービスについて
J:COMカスタマーセンターにおいて、IVR(自動音声応答システム)の音声作成にAITalk 声の職人を利用しています。初めて導入したのは2013年で、インストール版のソフトウェアを各拠点に導入しましたが、コロナ禍でテレワークに移った2020年からはブラウザ上で利用するクラウド版を契約しています。作成する音声には、問い合わせ内容を振り分けるようなコールセンターにおける一般的な固定ガイダンスの他、地域ごとの障害発生のご案内、インターネット・プロバイダ事業関連でのブラウザの設定に関するご案内や、ケーブルテレビ事業関連での放送番組に関するご案内等、突発的なものがあります。電話のアナウンスなので文字数はそこまで多いということもありませんが、週に2~3ファイル程度作成しています。
AITalk導入の背景
どのような課題や問題があったのですか?
音声合成導入以前、予め内容が決まっている固定音声は、スタジオでプロのアナウンサーの方による音声を収録していました。また、固定音声以外の緊急的な音声録音の場合は、拠点ごとの社内担当者が電話機に直接吹き込みをおこなっていました。
当時はアナウンサーや社内担当者といった異なる声を利用していることや、収録する度に音質・喋る速度に違いがあるといったことがあり、全体的に統一感のないガイダンス音声に対して、お客様から聞き取りづらいといった声がしばしばありました。
導入による効果について
音声合成の導入により、同じ声の種類・音質・速度でIVR音声の統一化を実現できました。導入以前にあった音声が聞き取りづらいといったお客様からの声も、AITalkに切り替えてからはいただかなくなりました。
突発的に作業が必要な音声の中にはPCに関するご案内や、番組名、人の名前等の固有名詞の音声化もあるので、イントネーションの調整が必要となる場合がありますが、基本的には入力した文章をそのまま問題なく読んでくれています。
AITalk導入の決め手
当時、このまま各拠点でバラバラの音声を使い続けるより、音声品質を統一するため何かしらのツールを導入する方向性を模索していました。社内の担当者が探し出したAITalkを試し、アナウンサーの収録と、担当者による吹き込みの音声から脱却し、アナウンス品質を統一できるということで、AITalk 声の職人を導入することに決めました。
コロナ禍での利用状況の変化・声の職人クラウド版の導入について
それまで利用していたインストール版の声の職人では、ドングルを挿入した状態で起動する仕様のためにドングルを持ち回りで利用していましたが、コロナ禍でテレワークになると運用に支障が出てくることが分かっていたので、テレワークが完全に導入される前から新しい方法を探し始めました。AITalkで統一された音声を他の音声に差し替えるといったことも考えていなかったため、使い慣れた声の職人のクラウド版を2020年から利用しています。テレワークになってから入社した新しい担当者もスムーズに使いこなせるという簡単さには助かっています。
使い勝手に関しては、インストール版よりクラウド版の方が良いと感じています。クラウド版に移行したことで、音声作成に関する部署内での確認や共有作業の負担も軽減されました。例えば、以前は作成した音声をWAV形式で一度保存し、別の担当者に送って確認してもらうといった作業もありましたが、Webブラウザ上で文章・音声を保存できるので、担当者間での音声確認作業が楽になっています。また、イントネーションや単語の読み方を登録するユーザー辞書がクラウド上で共有されるので、全員で常に同じユーザー辞書を活用し、誰が作成しても設定値を統一することが可能になりました。インストール版では部署内のサーバーで統一ファイルとして保管するユーザー辞書と、視覚化された抑揚等の音声設定情報を、各自のPCローカル上で設定してから音声作成をおこなっていたため、段々と運用が難しくなり、結局各担当者PCで設定がまちまちになることもありましたので。
今後の展開
今後もAITalkの利用を継続していきます。声の職人を導入したことにより音質の統一化を実現し、クラウド版に移行してからは作業効率も向上できたので、今ではアナウンスはAITalkなしでは考えられません。