お客様事例

収録した生声を分析・データベース化することで、利用者側のQOL(生活の質)向上につながりました。

Company

株式会社日立ケーイーシステムズ

ソフトウェア

この事例のポイント

導入の目的

  • 重度障害者用意思伝達装置「伝の心(でんのしん)」の音声読み上げ機能に搭載。

導入前の課題

  • 合成音では「自分らしさが失われている」「会話に説得力がない」「声を失う前の自分に戻りたい」などの意見が多く寄せられていましたが、自社開発では実現が困難なため、これまでご要望にお応えすることができずにいました。

導入効果

  • その人の個性ある声の音色・抑揚をもった「あの声、あの口調」を伝の心に組み込んで再現できたので、利用者側のQOL(生活の質)向上につながりました。
  • 自宅での収録および短時間での収録は、重度障害者にとって体力面、コスト面で大きな負担軽減につながりました。

インタビュー

AITalk導入の背景

AITalk導入の背景

伝の心は、手足が動かせず話すこともできない重度障害者を対象にしたコミュニケーション支援機器です。筆談の代わりに身体の僅かに動く部位を利用し1スイッチで操作して文章を作成し合成音で読み上げる機能があり、家族や友人との会話をする手段の一つとして使用されています。

 

 

しかし、利用者や家族からは合成音では「自分らしさが失われている」「会話に説得力がない」「声を失う前の自分に戻りたい」などの意見が多く寄せられていましたが、自社開発では実現が困難なため、これまでご要望にお応えすることができずにいました。

AITalk導入による効果について

・声は、言葉の意味を伝えるだけではなく、「その人であること」を伝える重要な役割を持っています。AITalkは、収録した生声を分析・データベース化することで、世界で一つだけの「あなたの声」、そして、その人の個性ある声の音色・抑揚をもった「あの声、あの口調」を伝の心に組み込んで再現できたので、利用者側のQOL(生活の質)向上につながりました。
・自宅での収録および短時間での収録は、重度障害者にとって体力面、コスト面で大きな負担軽減につながりました。

– AITalk導入の決め手を教えてください。


他社のサービスについても並行して検討したのですが、私たちが用意したスクリプトについてはAITalkが一番自然に再生できたのが決定打でした。
SDKだからレスポンス速度が良かったのも高評価でした。クラウド系のサービスの場合、特に運転中にスムーズに情報を伝える上で、ちょっとした通信のラグなどがストレスとなってしまうため、AITalkはそういった意味でも今回の用途にフィットしていたと思います。

今後の展開について

進行性の難病患者は、意思伝達装置を使用する前の段階で発話状態の良い時期に収録だけしておきたい、という要望が増えてきているので、クラウドによるボイスバンクのような仕組みを作り収録データを管理し、患者のご要望に応じていつでも伝の心に組み込んで利用頂けるようにして、多くの方々にAITalkあなたの声を利用してもらい普及促進を図っていければと考えています。
また、上肢麻痺で筆談が困難かつ会話の苦手な軽度の障害児・者にも広くAITalkあなたの声を普及していきたいと考えています。これらの多くは、携帯型会話補助装置というコミュニケーション支援機器を利用しており、主に手指でのタッチ操作で文字を選択し文章を作成して合成音または録音した音声で読み上げてコミュニケーションをとっています。


AITalkあなたの声を利用することで、本人のモチベーションを上げ、より多くの障害者の社会参加を促して行きたいと考えています。

この記事は2018年4月時点のものです。

株式会社日立ケーイーシステムズ

お客様のベターソリューションパートナーとなることを企業理念に「産業、流通、公共分野向けシステムインテグレーション」、「ソフトウェア受託開発、組込ソフトウェア開発」、「特長ある情報機器製品、パッケージソフトの提供」など、幅広く事業展開をしています。

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