AITalk導入の背景
– AITalk導入以前、どのようにして音声を制作していたのですか?
ほとんどの場合、授業で利用する動画などのコンテンツ内の音声は、その授業の担当教員が自らの声を自ら録音しています。普段の授業とは環境が異なるためか、多くの教員が録音に苦労しています。また、授業の内容に多様性を持たせるために、キャラクタの異なる複数人の音声が必要になるときや、アナウンサーが読み上げたような音声が必要になるときもあります。そのようなときは、どなたかに依頼することになりますが、高校時代に放送部だった学生さんに協力をお願いすることもあります。
– どのような課題や問題があったのですか?
現状では、動画などの教育コンテンツの中で、教員が肉声で自ら話すことは、授業のライブ感を確保するためにも重要だと考えています。ただし、前述したように、より明瞭で正確なナレーション音声や、教員本人とは異なるキャラクタの音声が必要になることはあります。いつも録音をお願いできる協力者が見つかるわけではありません。学内には、スタジオはありますが、数は限られており、収録のスケジュールを都合よく調整できるとも限りません。授業は毎日ありますので、コンテンツ制作は、いつもギリギリのスケジュールで進行しています。求めている音声、イメージにあった音声がすぐに欲しいという需要には応える必要があります。
AITalk導入による効果について
好きなときに、イメージ通りの音声を、オンデマンドに合成できることが最大のメリットだと感じています。教職員からの急な問い合わせに対しても、対応することができるようになりました。また、事前に原稿を作成することで、内容を文章として整理することができて、コンテンツのクオリティ向上にもつながっているような気がします。まだ試していませんが、複数のキャラクタの音声を使い分けて、掛け合いのような対話形式の教育コンテンツを作ってもおもしろいかもしれません。学生の興味を引くことができると思います。
– AITalk導入の決め手を教えてください。
ウェブサイトで、たくさんのキャラクタの音声が話者のイメージイラスト付きで公開されていたからです。選定の際、ウェブサイトからの試聴や確認がとても簡単でした。また、キャラクタによっては感情表現ができて、コンテンツ中で表現を広げることができることに高い応用性を感じました。ただ、真の一番の理由は、株式会社エーアイさんで本学システム工学部の卒業生が働いていて、彼女には今でも学会等でお会いしますが、そのお仕事の様子に自信のようなものを感じているから、です。きっと製品もよいものだろうと期待して導入を決めました。
導入製品もしくはサービスについて
我々の部門が開講する数理・データサイエンス科目を中心に、これまで、本学では、eラーニングの導入を全学的に推進してきました。学内の教職員が協働するワーキンググループが旗振り役となって、教育コンテンツを制作して、教育の現場で利用しています。また、本学では、BYOD(Bring Your Own Device)と言って、学生がノートパソコンを所有し、常に携帯することを必須としています。オンラインコンテンツや情報機器を活用することで、学内のみならず、教室やキャンパスを飛び出して、多様な学びを展開することができるようになってきています。2020年は、新型コロナウイルス感染症の対策として、本学でも、ほとんどの授業を対面から遠隔の形態に移行することになりましたが、これまでに培ってきた経験をもとに、大きなトラブルなどもなく、遠隔授業(オンライン授業)を実施することができています。