カスハラ対策には会話の録音が有効?義務化に向けて対面接客・訪問営業が準備すべきこと

2026/06/23 / 社内業務効率化

スマート名札ソリューションでカスハラ対策

2026年10月からカスハラ対策が義務化されることを受け、企業には相談窓口や対応方針の整備に加え、トラブル発生時の事実確認体制づくりが求められます。

特に対面接客や訪問営業では、会話内容が残りにくく、後から状況を確認しにくいといった課題があります。

そのような中で、会話の録音はカスハラの有無を客観的に判断し、従業員を保護したり再発防止につなげたりするためにも必要です。本記事では、録音を活用したカスハラ対策と、対面現場で準備すべきポイントを解説します。

カスハラ対策には「録音による事実確認」が有効

労働施策総合推進法等の改正により、企業にはカスハラ防止のための体制を整備することが求められます。

政府広報オンラインでカスハラとして挙げられているのは「顧客等の言動」が「社会通念上許容される範囲を超え」、労働者の「就業環境を害する」とされています。具体的には、威圧的な言動や精神的な攻撃、執拗な言動、拘束的な言動などです。

また、企業は相談体制の整備に加え、発生時の事実関係を確認することも必要とされています。特に、対面での接客や訪問営業では会話内容が残りにくいため、録音することで顧客の言動がカスハラに該当するかを客観的に確認でき、従業員の保護や再発防止につながるでしょう。

出典:「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」

カスハラ対策が義務化される背景

近年、顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントは社会問題化しています。厚生労働省の調査では、過去3年間に労働者からカスハラに関する相談があった企業の割合は27.9%で、前回調査より8.4ポイント増加しています。

具体的には、継続的・執拗な言動、威圧的な言動、精神的な攻撃などが多く確認されており、従業員の心理的負担や離職につながるリスクも指摘されています。

こうした状況を受け、令和7年の労働施策総合推進法等の改正により、企業にはカスハラ防止のための雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられることになりました。

カスハラ対策は、従業員を過度な負担から守るだけでなく、適切な顧客対応を維持し、サービス品質の向上につなげるためにも重要です。

企業に求められるカスハラ対策

カスハラ対策では、事実関係を正しく把握できるようにすることはもちろん、「従業員を守る」という視点も必要です。

①迷わずに対応できるような体制整備

カスハラは顧客対応の現場で突然発生することがあるため、問題が起きてから対応を検討するのではなく、企業として事前に体制を整えておくことが重要です。

例えば、従業員を保護する方針の明確化や相談窓口の設置、発生時の対応手順などが挙げられます。こうしたルールが定まっていない場合、現場担当者は対応の範囲や報告のタイミングを判断できず、一人で問題を抱え込むおそれがあります。

カスハラへの適切な対応を実現するためには、企業として対応基準を定めるとともに、従業員が迷わず報告・相談できる環境を整備することが欠かせません。

②「事実関係の確認」のための記録

カスハラに適切に対応するためには、顧客の発言内容や従業員の対応、トラブルが発生した経緯を正確に把握することが重要です。

記録が残っていない場合、顧客と従業員の説明に食い違いが生じ、事実関係の確認に時間を要することがあります。その結果、企業としての判断が難しくなり、対応方針の決定が遅れる可能性もあります。

一方で、会話内容を録音しておけば、顧客による不適切な言動の有無を確認できるだけでなく、従業員の対応を振り返ることも可能です。事実に基づいて状況を確認できる体制を整えることは、従業員の保護と顧客対応品質の向上につながります。

カスハラ対策に録音を活用するメリット

会話の録音は、カスハラ対策の有効な手段の一つです。従業員の保護だけでなく、顧客対応品質の向上にも役立ちます。ここからは、録音を行うメリットを詳しく解説します。

①従業員を守る証跡として活用できる

録音データは、暴言や威圧的な発言、過度な要求、長時間にわたる拘束などが発生した際に、当時の状況を客観的に確認するための証拠として活用できます。

従業員から被害の申告があった場合も、録音内容をもとに事実関係を確認できるため、企業は状況に応じた対応を判断しやすくなります。また、問題が発生した際に会社が内容を確認できる体制が整っていれば、現場担当者の不安軽減にもつながるでしょう。

このような取り組みは、従業員が安心して働ける環境づくりを後押しし、結果として離職の抑制にも寄与します。

②対応品質の改善につなげられる

カスハラは決して許されるものではありません。ただ、説明不足や案内ミス、対応の遅れなどが、顧客の不満を大きくし、トラブルのきっかけになる場合もあります。

そのため、カスハラを防ぐには、問題発生後の対応だけでなく、日常的な接客品質や営業品質を見直すことも重要です。

録音内容を確認すれば、顧客に対して十分な説明ができていたか、誤解を招く案内がなかったか、対応が遅れていなかったかを具体的に振り返れるでしょう。

また、優れた接客事例を録音データから抽出すれば、個人に依存していた対応ノウハウをチーム全体に共有できます。つまり、録音はカスハラ発生時の事実確認だけでなく、従業員教育や再発防止、トラブルを未然に防ぐための実践的な教材としても活用できます。

対面営業の品質向上については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

コールセンターと対面接客では録音の難易度に差がある

カスハラ対策として録音を導入する場合でも、コールセンターと対面接客では運用の難易度が異なります。電話対応では通話内容を録音する仕組みが広く普及していますが、対面接客や訪問営業では録音環境の整備が十分に進んでいないケースも少なくありません。

特に、顧客と直接顔を合わせる場面では、会話を継続しながら確実に録音する必要があるため、電話対応と比べて運用上の課題が生じやすい傾向があります。

コールセンターで通話録音が普及している背景

コールセンターでは、通話録音システムの導入が一般的であり、会話内容を記録できる環境が整っています。通話データはシステム上で一元管理されるため、録音から保存、確認までの運用を効率的に行えます。

録音データは、応対品質の評価やトラブル発生時の事実確認などに活用されています。また、音声認識やAIによる分析機能を活用することで、問題のある発言の検知や顧客ニーズの把握、応対傾向の分析なども可能です。

対面接客で会話を録音しにくい理由

一方、対面接客や訪問営業では、録音体制の構築が容易ではありません。店舗内を移動しながら接客するケースや顧客先を訪問する営業活動では、固定マイクの設置が難しい場合が多いためです。

スマートフォンやICレコーダーを利用して録音する方法もありますが、接客や商談の最中に機器を操作することは現実的とはいえません。また、録音を開始し忘れたり、必要な場面を記録できなかったりする可能性もあります。

さらに、録音データを取得できたとしても、後から該当箇所を確認するには音声を聞き直す必要があります。そのため、音声データを保存するだけでは事実確認や応対改善に十分活用できず、運用面で課題が残ります。

対面で会話を録音するには

対面接客や訪問営業の現場で録音を導入するには、従業員の業務負担を増やさない仕組みを整えることが重要です。

例えば、持ち運びやすく、接客や商談の妨げにならない小型のデバイスが求められます。また、接客中に録音機器を操作する手間が発生すると運用が定着しにくいため、従業員が意識しなくても会話を記録できる仕組みが望まれます。

加えて、録音したデータをどのように活用するかも重要なポイントです。音声認識やAI分析を活用して会話内容をテキスト化・分析できれば、事実確認だけでなく、情報共有や応対品質の改善にも役立てられます。そのため、録音から活用までを一連の流れとして運用できる仕組みを整えることが大切です。

カスハラ対策に有効なスマート名札の特徴

ウィナーソフトの「スマート名札」なら、対面での接客や営業の際に簡単に会話を録音することができます。以下にその特徴を挙げます。

①名札型デバイスによる自然な会話録音

スマート名札は、胸元に装着して使用する名札型デバイスです。24gと軽量ながら、対面での会話を精度高く録音でき、接客や商談の内容を後から確認できます。

スマートフォンやICレコーダーを取り出して操作する必要がなく、接客中の負担を抑えながら運用できる点が特長です。そのため、録音のために業務の流れを中断することなく、日常業務の中で活用できます。

店舗での接客をはじめ、訪問営業、医療、金融、保険、通信など、顧客と対面でやり取りを行うさまざまな現場での利用が期待されています。

②録音データの一元保存と管理

スマート名札で録音した会話データはサーバーにアップロードできるため、必要なときに内容を確認できます。

これにより、担当者の記憶や手書きのメモだけに頼ることなく、実際のやり取りをもとに状況を把握できます。カスハラが疑われる場合でも、発言内容や会話の経緯を客観的に確認できるため、事実関係の整理に役立ちます。

また、録音データを一元管理することで、個別案件への対応だけでなく、事例の共有や再発防止策の検討、従業員教育にも活用できます。組織全体で対応品質の向上を図るうえでも有効な仕組みといえるでしょう。

③会話内容をAIで分析

vGate ASRロゴ

録音した会話データは、エーアイの音声認識エンジン「vGate®ASR」によって正確にテキスト化できます。音声を文字として確認できるため、会話内容の把握や分析を行いやすくなります。

テキスト化したデータは、リスク発言の検知や会話内容の要約、顧客ニーズの把握、接客品質の評価などに活用可能です。また、蓄積したデータを分析することで、カスハラが発生しやすい場面や対応上の課題を把握できます。

また、対話を解析するAIは評価基準等を調整し、カスハラ対応のほか接客品質の向上にも役立てることができます。それぞれの現場に最適な解析機能を持たせられるため、現場で働く人を守りながらスキルアップを図れます。

AIによる音声認識については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

④研修・ロールプレイにも活用可能

分析データは、カスハラ対応に関する研修やロールプレイの教材として活用できます。

例えば、顧客から強い口調で指摘を受けた場面や、要求が過度なものへ発展しそうな場面、上長への引き継ぎが必要となった場面などを題材にすることで、現場で起こり得るケースを具体的に共有できます。実際のやり取りをもとに学ぶため、マニュアルだけでは伝えにくい判断基準や対応のポイントも理解しやすくなります。

現場の状況に即した研修を実施することで、従業員は相談すべきタイミングや適切な対応方法を把握できるようになり、トラブル発生時にも落ち着いて行動しやすくなります。

スマート名札の導入事例

スマート名札は、対面で顧客対応を行う現場での活用が想定されています。ここでは、2つの事例を紹介します。

事例①美容製品の販売店での導入事例

美容製品の販売店では、スタッフが顧客の悩みや要望をヒアリングしたうえで、商品説明や提案を行います。しかし、接客の進め方や提案内容には個人差が生じることがあり、成果につながる対応方法が十分に共有されないケースもあります。

スマート名札を活用すれば、接客時の会話を記録し、後から内容を確認できます。顧客がどのような悩みを抱えていたのか、スタッフがどのような説明や提案を行ったのかを振り返ることで、接客品質の向上や教育に活用できます。

また、クレーム対応時のやり取りも記録として残せるため、強い口調による苦情や過度な要求が発生した場合でも、録音データをもとに事実関係を確認できます。これにより、従業員の負担軽減や適切な対応判断につなげることが可能です。

事例②不動産販売業での導入事例

不動産販売の現場では、物件の特徴や価格、契約条件などについて顧客へ説明する機会が多くあります。取り扱う情報が多岐にわたるため、認識の違いから「説明を受けていない」「そのような話は聞いていない」といったトラブルが発生する場合もあります。

スマート名札で商談内容を記録しておけば、営業担当者の記憶やメモだけに頼ることなく、実際の会話をもとに説明内容や顧客の要望を確認できます。そのため、事実関係の確認や情報共有に活用でき、トラブルの防止や顧客対応品質の向上につながります。

また、成果を上げている営業担当者の商談内容を分析することで、提案の進め方や顧客とのコミュニケーション方法を社内で共有できます。会話データを教育や育成に活用すれば、組織全体の営業力向上にも役立つでしょう。

スムーズな会話録音でカスハラ対策

カスハラ対策の義務化を受け、企業には発生時の事実確認を行う体制や、従業員を保護するための仕組みの整備が求められています。

特に、対面接客や訪問営業の現場では、会話内容が記録として残りにくく、従来の録音方法では運用面で課題が生じる場合があります。そのため、日常業務の中で無理なく活用できる録音環境を整えることが重要です。

スマート名札は、対面でスムーズに会話を録音できるだけでなく、音声のテキスト化やAIによる分析にも対応しています。記録したデータは、カスハラ発生時の事実確認に活用できるほか、接客品質の向上や従業員教育、営業・接客ノウハウの共有にも役立てられます。

対面接客や訪問営業における録音環境の整備を検討している場合は、エーアイの音声認識技術「vGate®ASR」を活用したウィナーソフトのスマート名札を選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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