AI音声認識とは?AIを使った仕組みや活用事例を解説

2024/10/31 / 社内業務効率化

AI音声認識は、日常生活やビジネスの現場で広く利用されている技術です。

例えば、スマートフォンでの音声検索やAIスピーカーに話しかけて操作を指示する際に、AI音声認識の技術が活用されています。

本記事では、AI音声認識の基本的な仕組みと活用事例について解説し、業務効率化などビジネス活動に取り入れたい方に向けて役立つ情報を紹介します。

AI音声認識の基礎知識

音声認識とは?

音声認識は、人が話した言葉をコンピューターが理解してテキストに変換する技術です。

簡単に言えば、音声を録音して、その音声を分析して意味のある言葉として認識するシステムです。

音声認識の研究は古く、京都大学では1960年代から研究が進められてきましたが、一般的に普及することはありませんでした。

近年では技術進歩により、スマートフォンの音声アシスタント(SiriやGoogleアシスタントなど)、カーナビ、スマートスピーカーなど、日常生活のいろいろな場面で音声認識が使われています。

音声認識は、音声入力を使うことで手作業での入力が不要になり、生産性を高めることができ、仕事の効率化に役立つ可能性が高いです。

技術的には、音響分析、音響モデル、言語モデルなどのプロセスを通して音声をテキストに変換し、高い精度の音声認識を実現しています。

参照元:音声認識技術の変遷と最先端 | 京都大学

AIとは

AI(人工知能)に明確な定義はありませんが、一般社団法人 人工知能学会によると「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指すもの。」とされています。

音声認識技術にAIが導入されたことで、従来の技術と比べて大きな進化が見られました。特に「ディープラーニング(深層学習)」がその代表例です。

AIは膨大な音声データを学習し、さまざまな言葉のアクセントやノイズを正確に認識できるようになりました。

これにより、雑音の多い環境でも高精度な音声認識が可能となり、リアルタイム処理の能力も向上しています。また、AIは文脈を理解して意味を補完する力が強化されています。

こうした進化により、AI音声認識は日常生活やビジネスのさまざまな場面で広く活用されています。

参照元:一般社団法人 人工知能学会 定款

AI音声認識の仕組み

1. 音響分析、音声をデジタルデータに変換

音響分析とは、音声データをコンピューターが理解しやすいデジタル形式に変換するプロセスです。

マイクから入力されたアナログ音声は、まずデジタルデータとして変換され、音声の特徴(周波数や強度など)が抽出されます。

デジタルデータに変換されることにより、コンピューターが音声情報を分析できる状態になります。

2. 音響モデルの役割、音素の特定

音響モデルは、デジタル化された音声データから「音素」を特定します。

音素とは言語の最小単位で、日本語では母音や子音などが含まれます。

音響モデルは、統計的な方法を使って音声から音素を抽出し、音素から単語へ変換する基礎データを提供します。

3. 発音辞書、音素から単語へ変換

発音辞書は、音素を組み合わせて単語に変換するためのデータベースです。

音響モデルで特定された音素を使って、発音辞書はどの音素がどの単語に対応するかを決定し、音声から具体的な単語を導き出します。

発音辞書により、単なる音の羅列が意味のある単語に変換されていきます。

4. 言語モデル、自然な文章を組み立てる

言語モデルは、単語を組み合わせて自然な文章を構築する役割を担います。

音声認識では、単語がどの順序で使われるかを予測し、正しい文章を生成する必要があります。

言語モデルは、過去の会話データや文章データを学習しており、自然で意味のある文章を構成するために使用されます。

5. テキストとして出力、最終的なテキスト化

最終的に、音声認識システムは音声から得られた情報をテキストとして出力します。

テキストは、ユーザーがそのまま利用できる形で表示されるため、議事録の作成やチャットボットでの回答に活用されます。

音声を文字データとして保存し、さまざまな用途に活用することが可能になります。

AI音声認識でできること

議事録作成や音声の文字起こし

AI音声認識を利用することで、会議や打ち合わせの内容をリアルタイムで文字に起こすことができます。

AI音声認識により、議事録の作成が自動化され、作業効率が大幅に向上します。

手作業での文字起こしに比べて、正確な議事録作成が実現できます。

ロボットやIoT機器への指示

AI音声認識は、ロボットやIoT機器への音声指示にも活用されています。

例えば、スマートホームでは、音声を使って照明をオン・オフしたり、エアコンの温度を調整したりすることができます。

また、足が悪い方や手が塞がっている場合でも、音声で照明を操作したり、テレビをつけたりすることができ、日常生活の利便性が向上します。

多言語の翻訳

AI音声認識は、多言語の翻訳にも活用されています。

例えば、外国語で話された内容をリアルタイムで翻訳し、テキストにすることができます。

この技術により、異なる言語間でのコミュニケーションがスムーズに行えるようになり、ビジネスシーンや観光地での利用が広がっています。

音声認識システム「vGate ASR®」

音声認識システム「vGate ASR®」は、騒音環境に強く高精度で、IoT、ロボットやAIなどの先進技術を用いた製品やサービスに適しています。

インターネットに接続して音声認識を行う「サーバー型音声認識システム」と、機器に組み込んで音声認識を行う「ローカル型音声認識システム」のご提供が可能です。

日本語、英語、中国語(北京語)、韓国語に対応しており、さまざまな環境で利用です。これまでにロボットやリアルタイム音声翻訳、音声入力ツールなどに導入いただいた事例があります。

音声認識の活用事例

【活用事例①】VAIO株式会社

VAIO株式会社の「おしゃべりコウペンちゃん」には、弊社(株式会社エーアイ)のローカル型音声認識技術が採用されています。

「コウペンちゃん」は、いつでもユーザーを褒めたり励ましたりしてくれる人気のキャラクターです。インターネットに接続せずに高精度な音声認識を実現します。

ローカル型音声認識技術により、「おしゃべりコウペンちゃん」はユーザーの話をしっかり聞き、疲れた心を癒してくれます。

活用事例①:コミュニケーションロボット「おしゃべりコウペンちゃん」

【活用事例②】住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社の「業務日報ソリューション」では、営業担当者が商談記録を音声で入力することが可能です。

10,000件以上の商品型番や専門用語を含む商談記録にも対応しており、手間のかかる入力作業を効率化します。

音声認識技術を利用することで、営業活動の効率を向上させ、業務の生産性を高めています。

活用事例②:超硬工具業界の商談記録を音声入力

まとめ

AI音声認識は、音声をテキストに変換する技術であり、スマートフォンの音声検索やAIスピーカーなどで広く利用されています。

本記事では、音声認識の基礎とAIの役割、音声認識の仕組みについて解説しました。

また、AI音声認識でできることとして、議事録の自動作成、ロボット・IoT機器への音声操作、多言語翻訳など、ビジネスシーンにおける活用事例を紹介しました。

AI音声認識の利用を検討している場合は、弊社(株式会社エーアイ)の音声認識システム「vGate ASR®」の利用もご検討ください。

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