2024/03/19 / 社内業務効率化
音声ガイドは美術館や博物館の展示品、企業や学校の紹介など、幅広い用途で利用されているため、多くの方が経験があると思います。
本記事では、音声ガイドを作成するメリット、作成前に決めておくことについて詳しく解説していきます。
音声ガイドとは、展示品や観光地の情報を音声で提供するツールのことです。
訪れた人が個人のスマートフォンや専用機器を用いて、目の前の展示品や観光地についての解説を聴くことができます。
これにより、訪問者は自分のペースで内容を深く理解しつつ、鑑賞や観光をより楽しむことができます。
音声ガイドは美術館や博物館、観光地など、様々な場所で導入されており、情報提供の方法として非常に効果的です。
従来、展示品の解説や施設のガイドには、スタッフや専門の解説員が必要でした。
人員を配置するには、人件費や教育コストがかかり、特に多言語に対応しようとするとそのコストはさらに増大します。
しかし、音声ガイドを導入することで、一度作成すれば何度でも繰り返し利用できます。
さらに、複数言語に対応した音声ガイドを用意することで、多国籍の訪問者への対応が可能になり、同時に人件費も削減できます。
また、訪問者は自分のペースで展示を楽しめるため、混雑時でも個々の体験が確保され、スタッフの負担軽減にもつながります。
音声ガイドは、多言語対応に優れています。
観光地や展示物に国内外から様々な言語を話す訪問者が訪れる場合、適切な言語で情報を提供することが重要です。
人材を雇ってその都度対応することは困難ですが、音声ガイドであれば、複数の言語版を作成し、言語に合わせたサービス提供が可能です。
また、新しく必要な言語が増えた場合にも、追加の音声を制作することで柔軟に対応可能です。
音声ガイドの導入は、顧客満足度の向上にも大きく寄与します。
来場者は自分の興味に合わせて、好きな時に好きな場所で、深く情報を得ることができます。
これにより、個々の訪問者のニーズに合わせたパーソナライズされた体験が可能になり、満足度が高まる可能性があります。
さらに、視覚障がい者など、従来の案内方法では情報へのアクセスが困難だった方々にも、より平等な情報提供が可能になります。
自分のペースで学べること、興味のある内容を深掘りできることは、来場者にとって大きな魅力となり、リピート訪問や口コミによる新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
音声ガイドを作成するにあたって、最初に明確にすべきことはその目的です。
目的が明確であれば、音声ガイドの方向性が定まり、効果的なコンテンツを作り上げることができます。
音声ガイドの目的は様々です。
訪問者に展示品の深い理解を促すことかもしれませんし、企業や学校の魅力をアピールすることかもしれません。
また、外国人観光客に対応するための多言語対応や、視覚障がい者を含めたすべての人に施設やサービスを楽しんでもらうためのアクセシビリティ向上が目的であることもあります。
目的を決める際には、誰に何を伝えたいのか、どのような体験を提供したいのかを具体的に考えましょう。
この目的が決まることで、内容の深さや言語、使用する機器の選定にも大きく影響を与えます。
音声ガイドには、主に専用機器を使用するタイプとスマートフォンを使用するタイプの2つがあります。
専用機器を用いるタイプでは、来場者に機器を貸し出し、展示物の前でボタンを押して解説を聴く仕組みが一般的です。
このタイプは操作が簡単である一方で、機器の管理やメンテナンス、更新が必要になる点がデメリットとして挙げられます。
スマートフォンを使用するタイプは、来場者が自身のスマートフォンにアプリをダウンロードするか、特定のURLにアクセスすることで音声ガイドを利用できます。
この方式は来場者が自分のデバイスを使用するため、感染症対策としても有効であり、最近ではこのタイプの導入が増えています。
しかし、スマートフォンを持っていない来場者への配慮も必要になるため、導入する際にはターゲット層を考慮することが重要です。
これらのタイプを選ぶ際には、目的、予算、対象となる来場者層などを総合的に検討し、適切な選択をする必要があります。
音声ガイドの作成には、予算を決めることが重要です。
予算の設定は、プロジェクトの規模や範囲、品質などを決定づける重要な要素となります。
予算計画を立てる際、考慮すべきポイントはいくつかあります。
まず、ナレーションに要するコスト。プロの声優やナレーターを雇用するか、社内リソースを活用するか、もしくはAI音声合成ソフトを活用するかで大きく変わります。
次に、翻訳サービスの費用。多言語対応を目指す場合、このコストも無視できません。
また、録音スタジオの使用料や編集作業にかかる費用も計上する必要があります。
さらに、ソフトウェアやアプリの開発、専用機器の購入またはレンタルなど、機器への出費も検討しましょう。
これらの要素を総合的に考え、実現可能な範囲内で適切な音声ガイドを作成する計画を立てます。
最終的に、予算内で最大限の価値を提供できるよう、必要な機能やコンテンツを優先順位付けして決定することが大切です。
音声ガイドを作成する上で、対応言語を選択することは非常に重要です。
この選択は、展示品を見に来る訪問者の国籍や言語を考慮して行われます。
国内の訪問者だけでなく、多国籍の観光客が訪れる場所では、英語、中国語、韓国語など、複数の主要言語に対応することが一般的です。
対応言語の選定には、訪問者のデータ分析が役立ちます。
どの国からの観光客が多いか、または特定のイベントや展示が外国人に人気があるかなど、訪問者の流れを把握することが重要です。
ナレーターの選択は、音声ガイドの質を大きく左右します。
ナレーターには大きく分けて、プロのナレーター、社内リソース、AI音声合成ソフトの3つの選択肢があります。
プロのナレーターは発声や発音、感情表現に優れており、聴き手に快適な聞き心地を提供できます。
特に多言語対応する場合、その言語のネイティブスピーカーを選ぶことで、自然で正確な発音が可能です。
ただし、プロのナレーターの場合、コストが高くなる傾向があり、内容の編集や更新があった際の工数も考える必要があります。
社内リソースを利用してナレーションを行う場合、コストを抑えられるというメリットがあります。
また、展示内容や企業文化に精通した人物による解説は、親しみやすさや説得力を持たせることができます。
しかし、プロに比べると発声や発音の質にばらつきが出る可能性があります。
音声合成技術の進化により、近年は非常に自然な音声を出力できるようになっています。
合成音声は、コストを大きく削減できる上、必要に応じてテキストを変更し、新たな音声を容易に作ることができます。
また、多言語化や内容の編集・更新の場合も人のナレーターと比較すると容易に対応しやすいところもメリットの一つです。
音声ガイドの一般的な活用例は、観光地や展示品、商品の解説です。
美術館や博物館では、展示品一つひとつに豊富な背景があり、すべてを紙の解説板では網羅できないことがあります。
このような場合、音声ガイドを活用することで、来場者は自分のペースで深く内容を理解することができます。
例えば、絵画の一部に隠された秘話や、歴史的な背景、作者の思いなど、聞くことで初めて明らかになる情報が多く存在します。
また、イベントや商品展示会でも、音声ガイドは有効に活用されます。
新製品の特徴や使用方法、開発の背景などを詳しく解説することで、来場者の商品理解を助け、購買意欲を高めることが期待できます。
このように、音声ガイドは、来場者に対して豊富な情報を効率良く、かつ魅力的に伝える手段として、多様な場で活用されています。
学校や企業の案内においても、音声ガイドは大きな役割を果たします。
オープンキャンパスや企業見学では、参加者に対して施設の歴史や特色、活動内容を伝える必要があります。
大人数の場合、一人ひとりに対して丁寧に説明することが難しいです。
そこで、音声ガイドを導入することで、参加者は自分の興味のある分野について深く学ぶことが可能になります。
学校では、キャンパスの歴史や学部の紹介、特色ある教育プログラムの解説など、学生にとって有益な情報を提供できます。
企業では、会社の歴史や企業文化、製品開発の背景など、企業理解の深化を図ることができます。
特に、就職活動中の学生や新入社員の研修において、音声ガイドを利用することで、自主的な学習を促進し、より多くの情報を得る機会を提供することができます。
音声ガイドは、情報提供の手段に留まらず、学習意欲を刺激し、深い理解を促進するツールとして、学校や企業の案内でも非常に効果的です。
多言語対応の音声ガイドで、弊社(株式会社エーアイ)のAI音声合成ソフト「AITalk®」の活用事例を紹介します。
株式会社アドホックでは、GPS付き観光用多言語音声ガイダンスシステムに「AITalk®」を導入しました。
このシステムは、観光バスや観光船に搭載され、GPSによって現在位置を把握し、周辺の観光スポットや文化的背景を自動で案内します。
音声はほぼ全て「AITalk®」によるAI音声合成を利用し、コメントの追加や修正が必要な場合で作業が容易になったという声を頂いております。
また、課題であったナレーションのための長時間録音や外国語ナレーターのスケジュール調整も「AITalk®」を活用することで一気に解決しました。
音声ガイドの作成には多くのメリットがあります。
本記事では、音声ガイドを作成するメリット、作成前に決めておくことについて解説しました。
・音声ガイドの作成には、目的の明確化、種類の選定、予算の設定、対応言語の選択、ナレーターの選定が重要です。
・専用機器タイプとスマートフォンタイプの2種類があり、それぞれに適した用途があります。
・音声ガイドは、美術館や博物館、学校や企業案内など、様々な場面で有効に活用できます。
音声ガイドの作成を通じて、訪問者に豊かな体験を提供し、顧客満足度を高めることが可能です。
今回の解説を参考に、ニーズに合った音声ガイドの作成に挑戦してみてください。