2025/08/03 / 社内業務効率化
株主総会の事業報告や各計算書類の報告は、上場企業にとって重要な責務です。読み間違いや言い間違いが許されないため、担当者には大きな負担となります。そんな中、新たな選択肢として注目されているのが、AI音声合成によるナレーション生成です。
本記事では、株主総会のナレーション作成における課題を整理し、プロのナレーターに依頼する場合とAI音声合成で音声データを作成した場合のメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。
株主総会では、かつて議長がシナリオを読み上げる形で進行するのが一般的でした。しかし、報告内容には配当金額や業績など、正確な読み上げが求められる情報が多く含まれているため、読み間違いや言い間違い、ページの読み飛ばしといったヒューマンエラーは大きなリスクとなります。
こうしたミスを防ぐには、事前の資料読み上げ練習や誤り発生時の対応フローを用意する必要があり、手間と時間がかかります。また、予期せぬミスが発生した時の柔軟で正確な対応が求められる点も課題となっています。
近年、株主総会の報告を、プロのナレーターによる収録で行う企業が増えています。その際の手順とメリット・デメリットを見ていきましょう。
ナレーターによる音声作成は、以下の手順で行われます。
株主総会招集通知は、総会の2週間前までに送付することが義務付けられており、原稿は通常1ヶ月以上前に作成されます。原稿の完成後、ナレーターへの依頼に進むのが一般的です。
ナレーション音声作成の所要期間は、短いところで1~2週間ほどです。修正が発生すると、さらに数日~1週間程度かかる場合もあります。また、株主総会が多くなる5月~6月は依頼が立て込むため、通常より納期が長くなりがちです。
株主総会において、プロのナレーターに依頼するメリットは、大きく2点あります。一つ目は、読み間違いがないことです。プロのナレーターは、事前の綿密な準備と高い技術によって、原稿を正確に読み上げます。
二つ目は、聞き取りやすい音声で重要事項を伝えられる点です。株主総会には、さまざまな年齢層の株主が参加するため、「誰にでも聞き取りやすい音声」で情報を伝える必要があります。プロのナレーターは、発声や滑舌、抑揚などに配慮した明瞭な音声で、重要事項を伝えられます。
プロのナレーターに依頼するデメリットは、スケジュールが不確定になりやすい点です。修正が必要になると、同じナレーターとスタジオで再収録しなければ音声の質が均一にならず、調整に時間がかかります。その結果、納品の遅れや追加費用の発生につながるおそれがあります。
近年、深層学習技術を用いたAI音声合成の品質が向上し、株主総会ナレーションにも十分活用できるレベルになっています。平坦で明瞭な読み上げが求められるシーンでは、AI音声合成が特に効果的です。
株式会社エーアイは、自社の株主総会用の音声をAI音声合成で作成しています。実際の品質については、以下の動画をご覧ください。
近年、株主総会のナレーションにもAIを活用する企業が増えつつあります。AI音声合成でナレーションを作成する方法とメリット・デメリットについて見ていきましょう。
AI音声合成を活用したナレーションの作成方法については、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
AI音声合成で株主総会のナレーションを作成する場合、大きく分けて二つの方法があります。
AI音声合成ソフトには、インストール型とクラウド型の2種類があります。株式会社エーアイが提供する「AITalk® 声の職人」(インストール版/クラウド版)や「coestation」(クラウドのみ)では、原稿を入力するだけで簡単に音声ファイルを作成できます。
ただし、自社で音声を作成するには、インストール版の場合はソフトの購入費用、クラウド版は1ヶ月からの月額制(※エーアイの場合)で導入が可能です。使用シーンが限られている場合は合理的な選択ですが、社内セキュリティ規定などで使用が難しいケースもあります。
AI音声合成に対応する業者に音声ファイルの作成を外注する方法もあります。依頼の手順は、以下の通りです。
(音声ファイル作成にかかる期間は1週間ほど)
外注のため、自社で音声合成ソフトを用意する必要がなく、手軽に音声ファイルを作成できます。セキュリティ規約などでクラウド版のソフトが利用できない企業でも利用可能です。ただし、最初に納品された音声を修正する場合、タイミングによってはナレーター収録と同様に時間を要することがあります。。
エーアイは、5,000文字以上の大規模案件に特化した「音声ファイル作成サービス」を展開しています。詳しくは以下をご覧ください。
AI音声合成は、原稿通りに音声を生成するため、読み間違いや言い間違いが発生しません。発声速度や抑揚、アクセントなどを自由に調整できるソフトであれば、聞き取りやすい音声を作成できます。
また、AI音声合成ソフトを自社導入すれば、直前まで原稿修正に対応できます。常に安定した品質の音声を生成できるため、迅速に修正を反映できます。
AI音声合成には多くのメリットがありますが、システムによっては抑揚やアクセント、声質などの細かなニュアンスが不足し、聞き取りづらい音声になる場合があります。そのため、求める品質のナレーションを作成するには、適切なシステム選びが重要になります。
AITalk®は無料で試せるデモを公開しており、手軽に操作感や音質を確かめられます。
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これまでの内容を踏まえ、株主総会のナレーションをプロのナレーターに依頼する場合と、AI音声合成を活用する場合の違いを下表にまとめました。
項目 | プロのナレーター | AI音声合成(AITalk声の職人・音声ファイル作成サービス) |
制作形態 | スタジオ収録 | AI音声合成による自動作成 |
価格例 | 制作ボリューム・内容等により都度見積(例:5000文字まで10万円~ + 追加費用有) | ・5000文字まで100,000円程(音声ファイル作成サービスの場合)・ソフト購入の場合は月額/年額に応じて無制限の利用が可能 |
納期 | 通常5営業日~2週間(5~6月は繁忙期で要調整) | 約1週間(修正なしの場合はさらに短縮可) |
修正対応 | 読み間違い等は無償対応。内容変更や再収録は追加費用・納期延長 | ・2回まで価格内で修正対応・ソフト購入の場合は無制限音声品質・読み方は常に同水準 |
収録立ち合い | 必要な場合あり | 不要 |
話者・音声バリエーション | 大人女性・男性、子供など幅広く対応(会社により主要ナレーター数が異なる) | 男性・女性など複数話者から選択可能(AI音声の種類はサービスにより異なる) |
メリット | ・自然な感情や抑揚の表現が可能 ・企業イメージに合う声の選定ができる | ・読み間違いがない ・直前まで原稿修正・生成が可能 ・均一な品質 ・コスト削減、短納期 |
デメリット | ・修正に時間やコストがかかる ・繁忙期の納期遅延リスク | ・細かな感情や抑揚表現は限定的 ・システム選定に注意が必要 |
おすすめ利用シーン | 企業イメージ重視、自然な話し方や感情表現が必要な場面 | 正確さ・効率・コストパフォーマンス重視、修正頻度が高い株主総会等 |
株主総会のナレーションを人が読み上げるには手間がかかり、修正対応にはコストが伴います。また、納期の遅延や追加費用につながることもあります。
AI音声合成を使えば、短時間で音声を生成できます。長期的に利用できる場合は、ソフトの導入が最もコストパフォーマンスに優れているでしょう。株主総会のみの利用では導入が負担となる場合は、音声ファイル作成サービスが便利です。
AI音声合成のパイオニアであるエーアイは、「AITalk® 声の職人」をはじめ、さまざまなAI音声合成サービスを展開しています。「音声ファイル作成サービス」も対応しており、自社の用途に応じた選択が可能です。
AI音声合成の品質と利便性を、ぜひ体感してみてください。
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AITalk® 声の職人® クラウド版は、テキストをブラウザに入力するだけで誰でも簡単にナレーションや、ガイダンス音声を作成することができるクラウドサービスです。
月額プランで契約できるので、低予算で検討している方や、少しだけ音声ファイルを作りたい方におすすめの音声合成クラウドサービスです。