ナレーションの滑舌を良くする方法とは?音声合成ソフトのメリットも紹介

2025/04/01 / 社内業務効率化

動画などにナレーションをつける際、滑舌の良し悪しは、聞き手に与える印象を大きく左右します。滑舌が良く聞き取りやすいナレーションは、内容が頭にスッと入ってきます。反対に、滑舌が悪いナレーションは、聞き手の集中力を途切らせ、伝えたい内容を届けられない可能性があります。

この記事では、ナレーションの滑舌を良くする方法をご紹介します。滑舌が悪くなる原因や、ナレーションのクオリティを上げるポイントも解説していますので、聞きやすいナレーションを制作したい方は、ぜひ参考にしてください。

ナレーションの滑舌を良くするトレーニング6つ

ナレーションのクオリティを上げるために、滑舌を良くするトレーニングに取り組んでみましょう。毎日の積み重ねで、滑舌が改善されていきます。

発声練習をする

滑舌の向上には、発声練習が不可欠です。日本語の基本である五十音図を用いたトレーニングで、口周りの筋肉を強化しましょう。

例えば、「は行」の練習では、「はひふへほ」を5回ずつ繰り返すことから始めます。次に、「ひふへほは」「ふへほはひ」「へほはひふ」「ほはひふへ」と変化させながら練習することで、より複雑な発音にも対応できるようになります。

さらに、「はへひふへほはほ」のようなランダムな組み合わせに挑戦することで、実践的な滑舌のスキルを磨けます。

早口言葉の練習をする

滑舌を良くするには、舌や唇、口周りの筋肉を鍛える必要があります。早口言葉は、これらの筋肉を効果的に鍛えるための練習方法として効果的です。ただ早く言うだけでなく、正確に発音することを意識して練習しましょう

<早口言葉の例>

生麦生米生卵見る黒コップ東京特許許可局よど殿もよど殿なら、ねね殿もねね殿だ、お綾や綾にお謝り、お綾や親にお謝りとお言い

まずは、早口言葉で自分の苦手な音や舌の動きを見つけましょう。苦手な部分が見つかったら、その部分を集中的に練習します。慣れてきたら、徐々にスピードを上げて練習するとよいでしょう。

舌のトレーニングを行う

言葉をハッキリと発するには、舌の筋肉が不可欠です。舌を前後左右に大きく動かしたり、回転させたりして、舌筋を鍛えましょう。

<舌筋トレーニング①>

  1. 舌をできるだけ前に突き出す
  2. 舌をできるだけ奥に引っ込める
  3. 舌を左右に大きく動かす
  4. 舌を時計回り、反時計回りに回転させる

これらの動きをそれぞれ5~10回程度繰り返しましょう。

<舌筋トレーニング②>

  1. 顔を正面に向け、天井を見上げる
  2. 舌を天井に向かって、できるだけ思いっきり突き出す
  3. その状態を数秒間キープする
  4. 舌を戻し、正面を向く

1~4を数回繰り返します。

舌筋を鍛えることで、より正確な発音ができるようになり、滑舌の改善につながります。毎日数分だけでも良いので、ぜひ取り組んでみてください。

表情筋をトレーニングする

滑舌を良くするために、口周りの筋肉である表情筋を鍛えましょう。表情筋が弱まると、口を大きく開けにくくなったり、舌の動きが鈍くなったりして、滑舌が悪くなってしまいます。

ここでは、割り箸を使った表情筋のトレーニング方法をご紹介します。

  1. 割り箸を2本用意する(割っていないもの)
  2. それぞれの割り箸の持ち手側を奥歯で軽く噛む
  3. 2本の割り箸が「ハ」の字になるように口を開ける
  4. この状態で「らたなかさ」と発音する

表情筋を鍛えれば、口の動きがスムーズになり、滑舌が改善されます

腹式呼吸をマスターする

滑舌の改善にはさまざまな方法がありますが、なかでも基本となるのが「腹式呼吸」です。腹式呼吸とは、息を吸う際にお腹を膨らませ、吐く際にへこませる呼吸法です。腹式呼吸をマスターできれば、安定した息の流れを作ることができるようになり、発声の土台が安定します。

腹式呼吸の感覚を掴むために、まず仰向けに寝て練習してみましょう。息をゆっくりと吐き出し、お腹がへこんでいくのを感じます。次に、お腹を膨らませるように息を吸い込みます。このとき、胸ではなくお腹が動くことを意識するとよいでしょう。下腹部に手を当てて、お腹の動きを確認しながら行うと、より効果的です。

慣れてきたら、立ったり座ったりした状態でも練習してみましょう。日常生活のなかで、意識的に腹式呼吸を行うことで、自然と滑舌が改善されていきます。

会話中に腹式呼吸を意識するのは難しいと感じる方もいるかもしれません。そんな時は、単語の最初の文字で息を吐き出すことを意識してみてください。「わたしは、滑舌の、トレーニングを、しています」のように、一単語ずつ区切って発声練習をすると良いでしょう。

発意識してゆっくり話す

研修動画のナレーションでは、情報を伝えるスピードが重要です。早口になってしまうと情報が伝わりにくくなるため、意識的に話す速度を落とし、一つひとつの言葉をはっきりと発音する練習をしましょう。

ナレーターが自分の話す速度を客観的に把握することは難しいため、練習の段階で録音しておき、自分の話す速度をチェックしながら意識していく方法がおすすめです。

滑舌が悪くなる5つの原因

生まれつき滑舌が悪い方もいますが、原因があって滑舌が悪くなっている方も多くいます。ここでは、代表的な5つの原因について解説します。自身の滑舌の悪さの原因を特定することが、滑舌を改善するヒントになります。

姿勢が悪い

姿勢が悪いと、滑舌の悪化につながります。例えば、猫背や前かがみなどの姿勢です。背中が丸くなっていると呼吸が浅くなり、発声に必要な息を十分に吐き出せなくなります。

<姿勢と滑舌の関係>

猫背肺が圧迫され、呼吸が浅くなる
前かがみ横隔膜の動きが制限され、十分な息を吸えない
うつむき首や喉の筋肉が緊張し、発声が不明瞭になる

良い姿勢を保つために、以下の点を意識しましょう。

  • 頭をまっすぐ上に引き上げるように意識する
  • 肩の力を抜いてリラックスする
  • 背筋を伸ばし、胸を張る
  • 顎を引く

良い姿勢でいれば、深い呼吸ができるようになり、発声器官の筋肉をリラックスさせることができます。普段から正しい姿勢でいることが大切です。

話す時の口の動きが小さい

話す時に口を大きく開けていないと、どうしても滑舌が悪くなってしまいます。口を大きく動かすことで、舌や口腔周囲の筋肉が活発に動くようになり、より明瞭な発音が可能になります。

無意識に口を閉じて話している方は、意識的に口を開けるように心がけましょう。最初のうちは違和感があるかもしれませんが、徐々に慣れていきます。口を大きく動かすことは、滑舌だけでなく、表情も豊かに見せる効果があります。相手に与える印象も良くなりますので、ぜひ意識してみてください。

声のトーンが低い

声のトーンが低いと、声が通りにくく、聞き取りづらいナレーションになってしまいます。普段から低い声で話す癖がついている場合は、普段から少し高めの声で話すことを意識するだけでも、声の通りは改善されます。

また、腹式呼吸ができていないため、十分な息を吐き出せていないケースも考えられます。腹式呼吸を意識して話すところからはじめるのも良いでしょう。

呼吸が浅い

呼吸が浅いと、充分な息を吐き出せません。息が足りないと、語尾が不明瞭になったり、声が小さくなったり、早口になったりして、声が聞き取りづらくなります。

呼吸が浅い方は、日常的に腹式呼吸を心がけることが大切です。また、息を吐ききる練習も効果的です。一度にたくさんの息を吐き出すことで肺活量が増し、より多くの息を吸い込めるようになります。

また、姿勢も呼吸の深さに影響します。普段から姿勢を正し、胸を開いて呼吸をするように心がけましょう。

早口になっている

滑舌の悪さと早口は、鶏と卵の関係です。滑舌が悪いために早口になってしまう人もいれば、早口が原因で滑舌が悪くなる人もいます。

滑舌が悪くて早口になる人は、発音しにくい言葉があると、それを隠すために無意識に話すスピードを速めてしまう傾向があります。一方、早口が原因で滑舌が悪くなる人は、早口で話す癖がついてしまっている場合が多いです。
早口になってしまう自覚がある方は、話すスピードを意識的に遅くしてみてください。そして、一音一音丁寧に発音することを心がけましょう。

ナレーションのクオリティを上げるコツ

ナレーションの質を上げるポイントは、滑舌だけではありません。これからご紹介するポイントを参考に、ナレーションのクオリティ向上を目指してみてください。

プロのナレーターの真似をする

ナレーションのクオリティを上げるには、その道のプロから学ぶのが近道です。プロのナレーターを真似ることで、発声や滑舌のコツを学ぶだけでなく、表現力も向上させることができます。以下の手順で、取り組んでみてください。

1.お手本を見つける

好きなナレーター、または目標とする話し方をするナレーターを見つけましょう。テレビ番組、ラジオ、CM、オーディオブックなど、様々なメディアから探してみてください。

2.徹底的に分析する

ナレーターの話し方を分析しましょう。具体的には、以下の点に注意して聞いてみてください。 

  • 口の動き 
  • 呼吸のタイミング
  • 声のトーン 
  • 話すスピード
  • 抑揚 
  • 間合い 

3.繰り返し練習する

分析した内容を元に、実際に真似して練習しましょう。最初は短いフレーズから始め、徐々に長い文章に挑戦していくと良いでしょう。録音して自分の声を客観的に聞くことも、改善点を見つけるうえで効果的です。

4.応用練習

自分の発声に自信がついてきたら、ニュース原稿やナレーション原稿を使って練習してみましょう。お手本のナレーターを意識しながら、学んだことを実践してみてください。

イントネーションやアクセントを覚える

日本語には、共通語、いわゆる「標準」とされるイントネーションが存在します。アナウンサーの喋りやナレーターの音声教材を繰り返し聞いて、正しいイントネーションを耳で覚えましょう

話の流れを意識して、アクセントを取り入れるのもナレーションのクオリティを上げるコツです。例えば、相手に何かを説明するときは、重要な部分を強調したり、語尾を少し上げて疑問形にしたりすることで、聞き手の理解を促します。

感情を込めて話す表現力も意識する

感情を込めて話すことで、聞き手により強い印象を与え、メッセージが効果的に伝わるようになります。

例えば、喜びを伝えたいときは、語尾を少し上げて明るく話すことで、聞き手に喜びが伝わりやすくなります。逆に、真剣な話を伝えるときはトーンを低くし、間をしっかりと取るのがポイントです。

ただし、感情表現はあくまでも自然体であることが大切です。過剰な演出は不自然に聞こえ、かえって聞き手の集中力を削いでしまう可能性があるため注意しましょう。

ナレーションの質を上げるならAI音声合成がおすすめ

滑舌の改善には、発声練習や舌のトレーニングなど地道な努力が必要です。手軽にナレーションの質を上げたい方におすすめなのが、AI音声合成です。

AI音声合成を使えば、テキストを入力するだけで高品質な音声がhttps://www.ai-j.jp/about/生成されるため、滑舌に自信がない方やプロのナレーターを呼ばなくとも、クリアで聞き取りやすいナレーションを作成できます。

AItalk®なら自然な発話が可能

AItalk®は、従来の「波形接続合成方式」と最新の深層学習技術を活用した「DNN音声合成方式」を組み合わせることで、人間らしい自然で豊かな音声を生成する高品質音声合成エンジンです。

独自に研究開発した高度な日本語解析技術を搭載し、入力されたテキストから最適な読み方やアクセントを自動的に判断するため、さまざまな文章を自然な日本語で読み上げます

音声作成パッケージソフトからSDKまで、さまざまなニーズに対応する製品をラインナップしており、ニーズに合うツールを選択できます。まずはお気軽にご相談ください。

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AIalk®の活用事例|横浜国立大学

横浜国立大学は、AI音声合成ソフト「AItalk®(声の職人、AITalk International)」を導入し、広報動画や教材ナレーションといった音声制作業務の効率化と質の向上を実現しました。

従来、プロのナレーターに依頼していたナレーション作成は、内容修正のたびに録り直しが必要で、時間とコストがかかる点が課題でした。AItalk導入により、テキストベースで修正が容易になり、迅速な対応が可能になったとのことです。

導入当初は機械音声に対する懸念の声もありましたが、AItalkが生成する自然で高品質な音声は、プロのナレーションに匹敵するクオリティを実現。特に、アクセント調整や感情表現、スピード調整といった細かな設定が可能で、大学特有の用語の読み方にも柔軟に対応できる点が評価されています。

現在、新入生歓迎会動画や情報セキュリティ教材などで活用されており、今後は各学部紹介動画など、さらなる活用範囲の拡大を予定しています。

参照:お客様事例|横浜国立大学

滑舌が良くなれば話の内容を相手に伝えやすくなる

ナレーションの滑舌が悪いと、動画の内容が頭に入ってこなかったり、聞き間違いが発生したりして、伝えたい情報が正しく伝わりません。結果として、視聴者の離脱や、コンテンツそのものへの評価低下につながる可能性も出てきます。

一方、明瞭な発音ができれば、聞き手にストレスを与えることなく、伝えたい情報を正確に届けられます。しかし、滑舌の改善には、発声練習や舌のトレーニングなど、地道な努力が必要です。

すぐにナレーションの質を向上させたい場合は、AI音声合成ソフトの活用も検討してみてはいかがでしょうか。AItalk®なら、滑らかで自然な発音のナレーションを簡単に作成できます。滑舌の良いナレーションを生成し、より効果的な情報伝達を実現しましょう。

関連情報
様々な言語での音声合成を可能にします。
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英語、中国語、韓国語は勿論、ドイツ語やフランス語等、様々な言語で、手軽にナレーション音声を合成することができます。

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よくいただくご質問にお答えしています。

導入のきっかけや活用方法・導入後の効果などを、
インタビュー形式でご紹介します。