あふれ呼とは?放棄呼との違いや対策法をわかりやすく解説

2025/02/22 / 社内業務効率化

あふれ呼のイメージ

「あふれ呼」の読み方は「あふれこ」であり、コールセンターにかかってきた電話が対応可能なオペレーター数や回線数を超えてしまい、結果として電話がつながらない状態を指します。顧客にとっては「何度かけてもつながらない」という苛立ちにつながり、企業が対策を怠ると、顧客満足度の低下やビジネスチャンスの損失といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。

本記事では、あふれ呼の意味やIVRなどを使用した具体的な対策法、事例やおすすめのソフトについて解説します。あふれ呼の問題を理解したうえで適切な対策を施し、顧客満足度向上とビジネス成長を目指しましょう。

あふれ呼とは

「電話がつながらない」「コールセンターにたどり着けない…」。このような経験は、顧客にとって大きなストレスです。実はこの「つながらない」状態の裏には、「あふれ呼」という問題が潜んでいるかもしれません。企業はあふれ呼の定義と発生原因を正しく理解し、適切な対策を講じる必要があります。

あふれ呼はコールセンターで使われる言葉

あふれ呼の読み方は「あふれこ」であり、コールセンターに電話が殺到し、対応可能なオペレーター数や回線数を上回った際に発生する「通話ができない状態」を指します。顧客はコールセンターに電話をかけても「話し中」のビジー音や「回線が混み合っています」というアナウンスを聞かされるだけで、オペレーターと話すことができません。

あふれ呼のためにサービスを受けられない顧客は不満を抱き、その結果、解約や競合他社への流出につながる可能性があります。あふれ呼は、企業にとって売上減少だけでなくブランドイメージの低下も招きかねない深刻な問題です。

あふれ呼と放棄呼・待ち呼の違い

あふれ呼と似たような言葉に「待ち呼」「放棄呼」があります。「待ち呼」は、コールセンターにはつながったものの、対応可能なオペレーターがいないため、順番待ちをしている状態です。「電話はつながっているが、通話はできない状態」という点で、れ呼とほぼ同義といえます。

「放棄呼」は、待ち呼の状態から顧客が待ちきれずに電話を切ってしまう、あるいはシステム側で一定時間経過後に切断されたコールのことで、電話が切れているという点であふれ呼と異なります。総コール数のうち放棄呼が占める割合は「放棄呼率」と呼ばれ、顧客満足度を測るうえで重要な指標となります。

あふれ呼と待ち呼・放棄呼の違い

あふれ呼を引き起こす原因は人員やリソースの不足

あふれ呼の主な発生原因として、コールセンターにおける人員とリソースの不足、IVR(自動音声応答)が適切に設定されていない、などが挙げられます。

・コールセンターの慢性的な人手不足
・1件あたりの対応時間の長期化
・季節要因やキャンペーンによる顧客からの問い合わせの集中
・電話以外の問い合わせ手段(メール、チャットなど)が未整備
・顧客自身による問題解決を促す手段(FAQ、チャットボットなど)の不足

あふれ呼を放置すると起こり得る問題

あふれ呼を放置すると、企業にとってさまざまな問題が生じます。顧客満足度の低下や機会損失といった目に見える損失だけでなく、ブランドイメージの低下や従業員のモチベーション低下など、中長期的に企業経営を揺るがす問題にも発展しかねません。

顧客満足度の低下と顧客離れ

顧客は電話がつながらなかったり、長時間待たされたりする状況に不満を抱きます。特に、サービスや製品の不具合やトラブルなど重要な要件ほど、つながらない状態への苛立ちは大きくなり、顧客満足度が低下します。

このような状態は企業の信頼を失墜させ、顧客離れを招く大きな要因となります。一度離れてしまった顧客を取り戻すことは容易ではありません。

機会損失と売上減少

顧客が商品購入やサービス利用を検討しているタイミングで、どれだけ適切な対応ができるかで企業の売り上げは変わってきます。

例えば、商品購入を検討している顧客が疑問を解消するために問い合わせをしたにも関わらず、電話がつながらない、または長時間待たされた場合、顧客は購入をあきらめて競合他社へ流れてしまうかもしれません。

あふれ呼によって顧客の信頼を失ってしまったら、将来的な取引を控える可能性も出てきます。

オペレーターの負担増加と離職率の上昇

あふれ呼が発生すると、オペレーターの業務負担が増加します。その際、あふれ呼で待たされた不満をオペレーターにぶつける顧客も少なくありません。結果として、精神的な負担も大きくなります。

こうした状況は、オペレーターのモチベーション低下、ひいては離職につながりかねません。優秀なオペレーターが離職してしまった場合、コールセンターの運営に支障をきたし、さらに顧客満足度の低下を招く悪循環に陥る可能性があります。

あふれ呼の対策法5つ

あふれ呼対策は、顧客満足度向上だけでなく、オペレーターの負担軽減、業務効率化、ひいては企業の売上増加にも寄与します。ここでは、5つのあふれ呼対策をご紹介します。

1. オペレーターを増員する

オペレーターの増員は予測されるピーク時やキャンペーン期間中など、一時的な需要の増加に対応するために有効な手段です。顧客からの問い合わせに対して迅速に対応できる十分な人員がいれば、あふれ呼を減らし、顧客満足度を高められます。

ただし、増員は人件費の増加につながるため、あふれ呼対策としての費用対効果は慎重に検討しましょう。また、顧客対応の質を維持・向上させるためには、研修や教育も不可欠です。

2. アウトソーシングを利用する

業務を外部サービスに委託することを「アウトソーシング」といいます。コールセンターにおいても、アウトソーシングを利用することで、必要に応じて人員を増減でき、効率よくあふれ呼に対策できます。

また、専門業者には豊富な経験と知識があるため、顧客対応の質の向上が期待できるのもメリットです。

3. チャットボットやFAQを導入する

企業のオフィシャルサイトにチャットボットやFAQページを導入することで、顧客は自身で問題を解決できるようになり、コールセンターへの問い合わせが減少します。

このあふれ呼対策法は、24時間365日対応可能な点がメリットです。顧客は自分の都合の良いときに必要な情報を簡単に入手できるようになるため、顧客満足度の向上にもつながります。

4. ボイスボットを導入する

AIを活用した電話自動音声応答システム(ボイスボット)は、顧客との会話を自動化し、あふれ呼を減らせるサービスです。音声認識と自然言語処理技術を用いて、人間に近い自然な会話で顧客を適切な担当者や情報へと導きます。

ボイスボットによる顧客対応の流れは、以下のようなものです。

①顧客が電話をかけるとボイスボットが応答し、顧客は問い合わせ内容を話しかける
②ボイスボットは音声認識技術を用いて顧客の発言内容をテキストデータに変換し、自然言語処理技術を用いて顧客の意図を分析する
③その分析に基づき、AIが適切な回答をデータベースから引き出す
④回答を音声合成で読み上げ、顧客に伝える

ボイスボットは、顧客が電話に話しかけるだけでAIが内容を理解し、適切な対応を行うユーザーフレンドリーなサービスです。一方、複雑な質問への対応が難しかったり、導入・運用のコストがかかったりする点は注意が必要です。

5. IVR(音声自動応答システム)を導入する

IVR(音声自動応答システム)とは、電話をかけてきた顧客に対し、音声ガイダンスで用件を仕分け、適切な担当者や部署に自動で転送するサービスです。顧客は音声ガイダンスに従ってプッシュボタン操作を行い、問い合わせ内容を選択します。ボイスポッドのように対話はできませんが、設定がシンプルになるというメリットがあります。

これにより、オペレーターが直接問い合わせに対応する件数を減らせるため、あふれ呼を効果的に抑制できます。また、コールセンターの業務時間外でも基本的な顧客対応が可能なため、顧客からの問い合わせに対して迅速に対応でき、顧客満足度の向上に貢献します。

さらに、オペレーターが専門的なサポートが必要な問い合わせに集中できるようになるため、対応品質の向上が期待できます。

IVRについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてお読みください。

「電話自動応答システム(IVR)とは?活用事例とおすすめツールを紹介」

AI音声合成によるあふれ呼対策にはAItalk®がおすすめ

コールセンターのあふれ呼対策には、さまざまな方法がありますが、コストを抑えつつ業務効率化を図りたい場合は、ボイスボットやIVRの導入が効果的です。

ただし、これらのシステムは音声の品質が悪かったり、イントネーションが不自然で聞き取りづらかったりすると、かえって顧客満足度を低下させる可能性があります。そこでおすすめしたいのが、AI音声合成の活用です。

「AItalk®Server」でボイスボットなどのシステムと連携

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「AITalk® Server」は、ボイスボット電話自動応答システムやWebサービスなどさまざまなシステムと連携可能なサーバー設置型音声合成エンジンです。システムを選ばず設置しやすいRESTインターフェースに対応しており、スムーズな連携を実現します。

DNN音声合成方式を採用し、自然で滑らかな音声を生成できるのも強み。リアルタイムの音声生成や、簡単なイントネーション調整も可能です。あふれ呼対策としての導入・運用にあたっては専門スタッフが丁寧にサポートを行いますので、安心してご相談ください。

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「AItalk®声の職人」でIVRの音声を作成

「AITalk® 声の職人」のバナー

AI音声合成ソフト「AITalk® 声の職人」を活用すれば、自然で聞き取りやすいIVRの音声を作れます。

「AITalk® 声の職人」は最新のDNN音声合成エンジンを採用し、人間らしい滑らかな音声を実現します。イントネーション、話速、抑揚、音高などを細かく調整できるのが強みで、専門用語登録や外部音声挿入も使い勝手よく行えます。

これまで、IVR用の音声作成にはレコーディングや編集の手間がかかっていましたが、AI音声合成を活用することで、こうした工数を削減しつつ、クオリティ向上も期待できます。

AI音声合成により、あふれ呼対策がスムーズに進められます。

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WOWOWカスタマーセンターにおけるAItalk®の活用事例

WOWOWカスタマーセンター事例のタイトル

WOWOWカスタマーセンターは、IVR音声作成に「AITalk®声の職人」を導入し、顧客満足度向上と業務効率化を実現しました。

導入前は、複数担当者の音声でガイダンスに統一感がなく、担当者や日によって声のトーンも異なり、聞き取りづらいという顧客からの声があったとのことです。

しかし、「AITalk®声の職人」の導入により、高品質で統一感のあるガイダンス音声を実現し、聞き取りづらいという問題を解消しました。IVR用音声ファイル作成の手軽さ、肉声に近い自然な音声、初心者にも使いやすいUIが、AITalk®導入の決め手だったとのことです。

[ WOWOWコミュニケーションズ|お客様事例 ]

あふれ呼対策で企業の印象は変わる

コールセンターは、顧客と企業が直接コミュニケーションを取れる貴重な接点です。そのため、コールセンターの対応品質は、企業イメージやブランドイメージに直結します。あふれ呼が発生すると顧客を長時間待たせることになり、不満や不信感を募らせてしまうでしょう。

あふれ呼対策は、単なる業務効率化だけでなく、企業のブランド価値を高めるための重要な戦略です。顧客との良好な関係を築き、企業の成長を促進するためにも、あふれ呼対策に積極的に取り組み、顧客中心のコミュニケーション体制を構築することが重要です。

ボイスボットやIVRは、コールセンターにおけるあふれ呼の解消に有効です。その音声作成には、制作コストを圧縮しつつ、安定した音声を作成できるAI音声合成の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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