2024/12/20 / 社内業務効率化
多くの問い合わせに対応するコールセンターは、業務過多になりやすく、オペレーターの負担増加や応答率の低下、顧客満足度の低下といった課題を抱えるケースもあります。
本記事では、コールセンターの業務効率化をどう実現するのか、ツールやAI音声合成との連携について、事例を交えて紹介します。
はじめに、コールセンターの業務過多によってどのような問題が起こり得るのか見ていきましょう。
コールセンターが抱える深刻な問題の一つが「あふれ呼」です。これは、電話が集中してオペレーターにつながりにくくなる状態を指し、回線数を超える入電や、オペレーターの人数不足が原因で発生します。
「ただいま電話が大変混み合っております。しばらくお待ちください」というガイダンスが流れる状況は、あふれ呼の典型例です。応答率の低下を示すこの現象を放置すると、顧客対応の質に悪影響を及ぼします。
あふれ呼については下記の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
コールセンターの業務過多は、ビジネスチャンスの損失につながります。特に、新規顧客からの問い合わせに対応できない「あふれ呼」が発生すると、多くの機会を逃すことになります。
例えば、テレビCMやWeb広告を見て関心を持った見込み顧客に対応できなければ、購入を諦めて他社に流れる可能性があります。その結果、得られたはずの売上や将来的な関係を失うことになります。
コールセンターで待ち時間が長く、オペレーターにつながらない状況が続くと、「放棄呼」が発生します。これは、顧客がオペレーターに接続される前に電話を切る状態です。
放棄呼を放置すると、サービスや企業への不満が高まり、信頼性の低下につながります。こうした状況が続けば、顧客が他社へ流れる原因となり、顧客離れを招く恐れがあります。
コールセンターの業務効率が下がる原因は複数あります。まずは、その原因や課題を把握することが改善の第一歩です。
コールセンター業務は精神的・肉体的な負担が大きく、特にクレーム対応は強いストレスになります。人手不足の現場では、オペレーターの負担が増え、長時間労働が常態化しやすい状況です。過重労働とストレスが蓄積すると、離職率の上昇を招く悪循環に陥ります。
コールセンターでは、繁忙期やキャンペーン時に問い合わせが急増することがあります。人手が不足しているとオペレーターが対応しきれず、顧客が長時間待たされる原因になります。
その結果、待ちきれずに電話を切る「放棄呼」が増え、新規顧客の獲得機会を失うだけでなく、顧客満足度の低下にもつながる恐れがあります。
近年、顧客対応の複雑化により、オペレーターが扱う業務システムやツールの数が増えています。その結果、複数の画面やアプリを同時に操作する必要があり、情報の検索に時間がかかるほか、操作ミスも起きやすくなります。
さらに、新しいシステムを導入するたびに教育コストが増え、現場の負担が大きくなります。今後は、システムの統合や操作フローの見直しがますます重要となるでしょう。
ここからは、コールセンターの業務を効率化する方法を、ステップごとに解説します。
コールセンターの業務効率化には、まず現状の課題を正確に把握することが重要です。課題を把握するには、オペレーターや管理者へのヒアリング、業務ごとの対応時間や待機時間の計測、問い合わせ内容や件数の分析が効果的です。
課題が明確になったら、改善目標に応じたKPI(重要業績評価指標)を設定します。たとえば、顧客満足度を高めたい場合は「顧客満足度スコアの向上」、応答速度を改善したい場合は「平均応答時間の短縮」、離職率の改善が目的であれば「離職率の低下」など、目標に合わせて指標を選定します。
課題の把握やKPIの設定とあわせて、日々の業務内容やフローも見直しましょう。問い合わせや顧客情報が複数のシステムに分かれている場合は、統合ツールの導入が有効です。情報を一元管理すれば、対応時間を短縮でき、誤案内も防げます。
さらに、対応マニュアルやFAQを整備し、誰でも迷わず対応できる環境を整えることも重要です。基本的な部分ほど見落とされやすいため、改めて確認しましょう。
コールセンターの課題やニーズが明確になったら、機能や規模、将来の拡張性を踏まえて自動応答システムの導入を検討しましょう。効果的に活用するには、導入時だけでなく運用中の設定見直しも欠かせません。
まず、顧客の電話の目的を把握し、それに応じた音声ガイダンスや選択肢を設定します。運用後は、離脱の多いメニューや特定の選択肢に集中する問い合わせなどを定期的に分析し、状況に応じて構成を調整しましょう。
コールセンターの業務効率化を図る上で注目されているのが「IVR(Interactive Voice Response)」です。IVRは「自動音声応答システム」とも呼ばれており、コールセンターの業務効率化に活用されています。
IVRについては下記の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
コールセンターのIVRは、顧客からの着信に対し、事前に設定した音声ガイダンスを自動で流すことから始まります。顧客はその案内に従い、電話機のプッシュ操作や音声で用件を入力します。
IVRシステムは、入力内容に基づき設定ルールに従って対応します。たとえば、特定の番号入力に応じて案内を流す、担当部署に転送するといった処理が可能です。
IVRの機能
IVRの主な機能を下表にまとめました。
機能 | 具体例 |
音声ガイダンス | 受電時に自動で音声ガイダンスを流し、顧客はプッシュボタン操作などで問い合わせ内容を選択します。 |
電話の振り分け | 顧客が選択した内容に基づき、最適な担当部署やオペレーターに自動で電話を転送します。 |
SMS送信 | 設定したテキストを顧客の電話番号にSMSで送信します。 |
担当者への通知 | 受電記録や用件、留守番電話などの情報を担当者に自動通知します。 |
コールセンターでIVRが注目されている背景には、主に2つの理由があります。1つは慢性的な人手不足で、離職率が高く、常に人材確保が課題となっています。もう1つは顧客ニーズの変化で、迅速な情報取得や問題解決への要求が高まっています。
IVRは、こうした課題への対応に有効です。詳細は後述しますが、クラウド型IVRの登場により導入コストが抑えられた点も、普及を後押しする要因となっています。
IVRシステムには、「オンプレミス型IVR」「クラウド型IVR」「ビジュアルIVR」の3つの種類があります。
オンプレミス型IVRは、自社内に専用のCTIシステムを構築し、運用・管理を行う方式で、大規模なコールセンターや金融機関などで導入されています。
このタイプのIVRは、安全性の高さが特徴です。すべての情報が社内で完結するため、外部への情報流出リスクを抑えられます。自社のセキュリティ基準や運用ルールに合わせて柔軟に設計でき、業界特有の厳しい要件にも対応しやすくなります。
クラウド型IVRは、インターネットを通じて提供事業者のシステムを利用する方式です。自社に専用機器を設置する必要がなく、省スペースかつ導入も容易です。
初期費用を抑えやすく、メンテナンスも少なく済むため、手軽に導入できる点が特長です。中小企業にも適しており、短期利用や柔軟な運用にも対応しやすい仕組みです。
ビジュアルIVRは、従来の音声IVRとは異なり、スマートフォンのWebブラウザなどにメニューを表示するシステムです。顧客は音声ではなく、画面上のボタンをタップして操作を進めます。
視覚的にわかりやすく、操作も簡単なため、顧客は待たされることなくスムーズに目的を達成でき、ストレスの少ない体験が実現します。
これまでIVRの音声案内は、プロのナレーターによる録音が主流でした。聞き取りやすい一方で、内容の変更や追加があるたびに再録音が必要となり、時間もコストもかかる点が課題でした。
この問題を解消するのがAI音声合成です。AIを使えば、IVR音声の作成を効率的かつ柔軟に行えます。
ナレーターや声優に依頼する場合は、収録時間や修正回数に応じて費用が増え、スタジオの手配やディレクションなどの間接コストもかかります。
一方、AI音声合成はテキストを入力するだけで音声を生成できるため、手間や費用を大幅に抑えられます。
IVRの音声ガイダンスを変更する際、通常は声優やナレーターへの依頼と収録作業が必要です。しかし、AI音声合成を使えば、テキストの修正だけで音声も更新されます。
これにより、突発的なキャンペーンや内容変更、顧客のフィードバックに応じたガイダンス改善にも迅速に対応できます。PDCAを速やかに回し、状況に応じて案内を最適化することで、常に適切な情報を提供し、顧客満足度の向上につながります。
話者のバリエーションが豊富なAI音声合成を使えば、ブランドやサービスに合った声質を柔軟に選べます。親しみやすさを重視するなら柔らかい声、信頼感を重視するなら落ち着いた声など、顧客に与えたい印象に応じた調整が可能です。
さらに、話し方やアクセント、イントネーションも細かく設定できるため、録音音声では難しかった「企業らしさ」の表現にも対応しやすくなります。
IVRの音声作成にはAI音声合成ソフト「AITalk®」をおすすめします。肉声に近い日本語の発音で、電話でも聞き取りやすい音声ガイダンスを手軽に作成できます。また、話者の選択肢が広いのも魅力です。
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IVRの効果を最大限に引き出し、顧客やオペレーターのストレスを軽減するために、以下の注意点を押さえておきましょう。
IVRの導入には一定の費用や手間がかかるため、自社に本当に必要か、導入の適切な時期かをはかることが重要です。
例えば、次のような課題が顕在化している場合は、導入を検討する好機といえます。
複雑なメニューは、顧客の不満につながる恐れがあります。ユーザー目線で、シンプルかつ分かりやすい音声ガイダンスを設計しましょう。
選択肢の数は最小限に抑え、専門用語を避けて誰にでも伝わる言葉を使うことが重要です。階層も浅く設定し、顧客が目的の情報に迷わずたどり着ける構成を意識しましょう。
音声ガイダンスの文章例については、以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてお読みください。
慢性的な人手不足や業務効率の改善が求められるコールセンターでは、IVRの導入が有効な解決策となります。プッシュ操作で適切に情報を提供し、担当オペレーターへ振り分けることで、応答率の向上や負担の軽減が期待できます。
ただし、音声ガイダンスの品質が低いと、顧客に不快感を与え、企業の信頼を損なう恐れもあります。そのため、音声は自然で聞き取りやすく、ブランドイメージに合った高品質な内容が求められます。
コストを抑えながら品質にもこだわりたい方には「AITalk®」がおすすめです。人間らしい発話と多彩な話者により、企業の印象を左右するIVR音声の制作を支援します。
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AITalk® Serverは、電話自動応答やインターネットサービスなど、ネットワークを利用し、マルチタスクで合成処理を行う場合に最適なエンジンです。
WEBサービスなどから、多言語の音声合成エンジンをSaaS型で利用できるサービスです。自社で音声合成用のServer構築や運用をする必要がないため、WEBサービスやスマートフォンアプリ、キャンペーン他、様々なサービスで手軽に音声合成を利用したサービスを開始することができます。