2025/02/22 / AI
テキストから人間の声を作り出す「AI音声合成ソフト」。テキストを読み上げるだけでなく、速度やイントネーションを調整したり、多言語に対応していたりと、便利な機能を備えています。無料ソフトや商用利用可能な有料ソフトなどさまざまな種類があるため、用途に合わせて最適なソフトを選択することが重要です。
本記事では、AI音声合成ソフトのメリット・デメリット、選び方、おすすめのソフトなどについて、わかりやすく解説します。事例も紹介していますので、導入を検討している方は参考にしてください。
AI音声合成ソフトとは、テキストデータを入力すると、人間の声のように読み上げてくれるソフトウェアです。生成した音声データは音声ファイルとして保存し、さまざまな用途に活用できます。例えば、動画のナレーション、自動音声応答システム、eラーニング教材などに利用可能です。
ここでは、AI音声合成ソフトでできること、メリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
AI音声合成ソフトでできることは、テキストデータの読み上げだけではありません。例えば、以下のようなことができます。
機能 | 説明 |
テキスト読み上げ | 入力したテキストデータを音声に変換 |
音声ファイル保存 | wav、mp3などさまざまな形式で保存可能 |
音声調整 | 速度、音量、イントネーションなどを調整 |
多言語対応 | 英語、中国語、韓国語などの言語に対応 |
単語・辞書登録 | 専門用語や固有名詞などを登録可能 |
声色の変更・感情表現の付与 | 喜怒哀楽などの感情表現を音声に反映 |
これらの機能により、自然で人間らしい音声データを活用できるようになります。ただし、対応範囲はソフトによって異なります。ソフトを選ぶ際は、求める機能が搭載されているか確認してください。
AI音声合成ソフトのメリットは、以下の通りです。
・音声の収録にかかる費用を削減できる
・音声ファイルの制作にかかる時間を短縮できる
・24時間・365日利用できる
・多言語に対応している
ナレーターを雇って音声を収録する場合、費用や時間がかかります。AI音声合成ソフトを使えば、ナレーターへの依頼費用はもちろん、スタジオ代や移動費が削減できます。音声収録やナレーターとのやり取りも不要なため、作業時間の短縮にもつながります。
また、AI音声合成ソフトは24時間・365日いつでも利用可能です。ナレーターの手配やスタジオの予約を気にすることなく、必要なときにいつでも音声を生成できるのは大きなメリットです。
多言語対応しているAI音声合成ソフトであれば、外国語のナレーションも手軽に作成できます。グローバル化が進む現代において、多言語対応は大きなメリットとなるでしょう。
AI音声合成ソフトは便利な反面、いくつかのデメリットも存在します。
・音質が不自然に聞こえる場合がある
・ソフトの利用コストがかかる
・動作環境が限られる場合がある
技術の進歩により、AI音声合成は自然な音声に近付いています。しかし、実際の人間の声と比べると抑揚や感情表現が乏しく聞こえる場合があります。
利用料も検討したいポイントです。一方でフリーソフトは機能が制限されている場合もあるため、実現したいことに見合うソフト選びが大切です。
また、特定のOSやブラウザでしか動作しないソフトがある点も留意しましょう。導入前に動作環境を確認し、自社のパソコン環境に合うか確認することが重要です。
次に、AI音声合成ソフトを選ぶ際のポイントを解説します。
フリーの音声合成ソフトは、コストをかけずに気軽に利用できるため、まずは音声合成を体験してみたい方に最適です。
一方、有料の音声合成ソフトは、より高品質な音声や高度な機能を求める方や、商用利用を考えている方におすすめです。自然で滑らかな音声合成ができるだけでなく、多様なキャラクターが用意されていたり、調整できるパラメーターが多くなるため、表現力が豊かになります。
近年はフリーソフトでも高品質なものが増えてきてはいますが、利用回数に上限があったり、機能が制限されていたりと、どうしてもできることに制限があります。ビジネスでの利用を検討している方は、有料ソフトの利用を検討することをおすすめします。
AI音声合成ソフトを選ぶ際には、商用利用の可否と利用範囲を必ず確認しましょう。音声合成ソフトによって、商用利用に関するルールは大きく異なります。
一見「商用利用可能」と記載されていても、詳細な条件はそれぞれ異なります。利用規約をよく読んで、自身の利用目的に合致するかを確認しましょう。特に、収益化を目的とした動画やコンテンツに利用する場合は注意が必要です。
例えば、「非営利目的の動画に限り商用利用を許可」している音声合成ソフトは、収益化しているYouTubeには利用できません。また、商用利用はできても、クレジット表記が必要な場合もあります。
フリー版で商用利用が制限されている場合、有料版にアップグレードすることで利用範囲が拡大されるケースもあるため、各ソフトのプラン内容を比較検討してみましょう。
高機能なAI音声合成ソフトでも、機械的で不自然な音声では、聞いている人に違和感を与えてしまいます。ビジネスシーンや動画制作など、人に聞かせることを目的とする場合は、自然な声色やイントネーション、抑揚が不可欠です。
ソフトによって得意な音声の種類や表現は異なるため、AI音声合成ソフトを選ぶ際は、実際にデモ音声を確認することをおすすめします。デモ音声は、各AI音声合成ソフトのWebサイトで確認できる場合が多いので、導入前にチェックしましょう。
「AITalkⓇ」は、無料のデモストレーションボイスを提供しています。Webサイト上でテキストを入力するだけで、簡単に音声を作成し試聴することが可能です。
AITalkⓇの強みは、男女合わせて17名からなる豊富な日本語話者を提供できること、また対応話者では「喜び」「エマージェンシー」「悲しみ」といった感情表現も可能で、用途に応じて豊かな表現ができることです。
また、エーアイが独自に研究開発する日本語解析技術を搭載しているため、入力テキストから最適な読み・アクセントを自動的に付与し、あらゆる文章を自然な言葉で読み上げます。
実際にお試しいただき、音声の自然さ、話者の声質、抑揚の有無をご確認ください。
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AI音声合成ソフトを選ぶにあたっては、無料版か有料版か、商用利用が可能か、どんな機能があるのかなどを比較検討することが重要です。ここでは、おすすめのAI音声合成ソフトを4つ厳選してご紹介します。
AITalkⓇ | ReadSpeaker | VOICEPEAK | VOICEVOX | |
料金 | 有料 ※要見積 | 有料 ※要見積 | 有料 ※要見積 | フリー |
商用利用 | 可 | 可 | 可 | 可/クレジット表記必要 (一部異なる) |
特徴 | ・高品質な日本語音声 ・柔軟な感情表現も可能 ・日本語話者17名(関西弁話者2名を含む)、60以上の言語に対応 ・多彩な製品を展開 ・豊富な導入実績 ・充実したサポート | ・45以上の多言語対応 ・100種類以上の話者 ・自然な音声と感情表現 ・マルチプラットフォーム対応 ・セキュリティ対策 | ・リアルな音声合成 ・喜怒哀楽などの感情表現が可能 ・ナレーターやキャラクターなど多彩なボイス ・Windows、Mac、Linuxに対応 | ・完全無料で利用可能 ・商用利用も可能 ・操作が簡単 ・オフライン利用にも対応 ・ユーザーが多い |
AITalkⓇは、最新の深層学習技術(DNN)と従来の波形接続合成方式を組み合わせた音声合成エンジンです。多くの話者(標準語・関西弁)と豊富な言語対応のほか、感情表現も多彩。人の声と遜色ない自然な発音で、あらゆるシーンに最適な音声を生成します。
豊富な導入実績があり、音声合成の提案から導入後のサポートまで、ワンストップで対応しているのも強みです。複数の製品を展開しているため、目的にマッチするソフトを選択できます。
ReadSpeakerは、HOYA株式会社が提供する、高品質で自然な音声合成を実現する多言語対応のAI音声合成ソフトです。12,000社以上の企業に導入されており、Webサイト、アプリ、ゲーム、デジタルサイネージなど、さまざまなシーンで活用されています。
DNN型音声合成と波形接続型音声合成の2つの方式を採用し、感情表現も可能な高品質な音声を生成できるのが特徴。豊富な話者と多言語対応、そして簡単な操作性も魅力です。
出典:ReadSpeaker
VOICEPEAKは、キャラクターボイスなど話者が豊富な音声合成ソフトです。リアルな発声と感情表現が可能で、ナレーションやキャラクターボイスなど、さまざまな用途に活用できます。
Windows、Mac、Linuxに対応しており、1ライセンスでどのOSでも利用可能です。ダウンロード形式での利用が主なため、機器に埋め込む形ではあまり利用されない点は留意しましょう。
出典:VOICEPEAK
VOICEVOXは、フリーで使える音声合成ソフトを探している人におすすめです。商用・非商用問わず完全無料で利用可能(ただし原則クレジット表記が必要)なのもうれしいポイントです。
操作も簡単で、テキストを入力してエンターキーを押すだけでAI音声合成が実行され、WAV形式でエクスポートできます。
出典:VOICEVOX
ここでは、AI音声合成ソフトを導入した企業の事例を2社ご紹介します。業務効率化やコスト削減に成功した企業の事例を通して、AI音声合成ソフト導入の効果について見ていきましょう。
アサヒ飲料株式会社 品質保証部様は、新入社員向け研修教材のナレーション作成に「AITalkⓇ 声の職人」を導入しました。
コロナ禍で在宅勤務が増える中、eラーニング教材の需要が増加したのがきっかけです。従来の音声収録では、収録環境の整備や読み間違いによる撮り直しが担当者の大きな負担となっていました。
AITalkⓇ導入により、これらの課題はすべて解消。高品質な音声で、聞き取りやすい研修教材の作成が可能になりました。
AITalkⓇ導入の決め手の一つに、単語の正確な変換、使いやすいインターフェースがあったといいます。今後は、さらなる音声の改善を図りながら、研修教材のナレーション作成に活用していく予定です。
日本中央競馬会(JRA)様は、場外馬券売場における払戻金や変更情報のアナウンスを、高品質な音声合成を実現する「AITalkⓇ SDK」を活用して一元化しました。
AITalkⓇの導入により、これらの課題を解消。リアルタイムのデータに基づいた、映像・テキストと音声の一体化放送を実現し、スムーズな情報伝達を可能にしました。
導入前は自動音声に良い印象を持っていませんでしたが、AITalkⓇの音声の自然さに驚き、他社製品との比較を経て導入を決定したとのことです。現在では、人間が読み上げているのと遜色ないレベルの音声で、競馬場全体の情報伝達効率向上に貢献しています。
AI音声合成ソフトは、業務効率の向上に大きく貢献します。音声合成を活用できる業務の例を、下表にまとめました。
業務 | 詳細 | メリット |
ナレーション作成 | 動画コンテンツ、CM、eラーニング教材などに利用 | 外部委託費用の削減、時間短縮、修正の容易さ |
社内アナウンス、電話応答 | 定型的な案内放送や自動音声応答システムに利用 | 人員配置の効率化、24時間対応による顧客満足度の向上 |
音声教材作成 | 語学学習教材、企業研修教材などに利用 | 費用削減、学習者の学習ペースに合わせた柔軟な教材作成 |
音声ガイド | 博物館、美術館、観光案内などに利用 | 多言語対応による利便性向上、人的リソースの削減 |
読書コンテンツの音声化 | 電子書籍、オーディオブックなどに利用 | アクセシビリティ向上、視覚障碍者や読書が苦手な人への読書機会の提供 |
AI音声合成ソフトの導入により、業務の自動化・効率化を図り、生産性向上やコスト削減を実現できます。ひいては、従業員の負担軽減や顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
AI音声合成を活用して業務を効率化したい方は、「AITalkⓇ」をご検討ください。
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聴くHPでアクセシビリティアップ!Webサイトにタグを埋め込むだけで、簡単に今あるWebサイトが音声読み上げ機能つきのサイトに変わります。
AITalk® 声の職人® クラウド版は、テキストをブラウザに入力するだけで誰でも簡単にナレーションや、ガイダンス音声を作成することができるクラウドサービスです。
月額プランで契約できるので、低予算で検討している方や、少しだけ音声ファイルを作りたい方におすすめの音声合成クラウドサービスです。